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戦力外通告により海外のリーグに挑戦する選手がいます。
今回は海外のリーグに挑戦した選手と最近の傾向をお伝えします。
尚、プロ野球選手のセカンドキャリアのまとめ記事は以下になります。
【 プロ野球選手のセカンドキャリア 】退団後の進路希望と進路調査からみえる現実
この記事には広告が含まれます どんなプロ野球選手もいつか引退する時が訪れます。今回は引退後の異色なセカンドキャリアについて解説していきます。※ グラフはNPB「セカンドキャリア」から集計&n...
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2023年に海外リーグでプレーするのは選手は5人
2023年もNPB退団後に複数の選手が海外リーグに挑戦。
多くの選手がNPB復帰を目指して新天地での結果が求められます。
① 2023年は6選手が新たに所属
2023年は2022年と同じ6選手が新たに海外リーグに所属となりました。
乙坂智選手と陽岱鋼選手と濱矢廣大投手は引き続き、他3投手は海外リーグ再挑戦となります。
- 乙坂智選手 ヨーク・レボリューション (アメリカ独立)
- 久保康友投手 ハンブルク・スティーラーズ (ドイツ)
- 福永春吾投手 ドゥランゴ・ジェネラルズ (メキシコ)
- 陽岱鋼選手 ハイポイント・ロッカーズ (アメリカ独立)
- 村田透投手 オークランド・トゥアタラ (オーストラリア)
- 濱矢廣大投手 モーリー・イーグルス・ベースボール・クラブ (オーストラリア)
久保康友投手はブンデスリーガ北地区にて最優秀投手賞を獲得。
防御率は1.62、投球回数は122回と共に地区1位と移籍1年目から活躍しました。
1. Baseball-Bundesliga Awards
BEST PITCHER NORD 2023:
Yasutomo Kubo (Hamburg Stealers)Den Artikel gibt es unter https://t.co/OI9bNhYtaS pic.twitter.com/LHck2hZUPF
— Baseball & Softball (@baseballsport) October 30, 2023
② 海外挑戦からNPB復帰を果たした中村勝投手
中村勝投手は2020年9月から2021年2月までブリスベン・バンディッツに所属。
ブリスベン・バンディッツでの投球

- 6試合(20回2/3) 1勝3敗 5.66 WHIP 1.742
5月からはメキシカンリーグのグアダラハラ・マリアチッスへ移籍しています。
日本ハム時代に同僚のルイス・メンドーサ投手がGMを務めており決定しました。
先発としてフル回転の活躍をみせ、最多勝と最高勝率を獲得。
被打率も.212と抑え込み、メキシコリーグ1年目で才能をフルに発揮しました。
- 9試合(52回2/3) 8勝0敗 3.25 WHIP 1.101
その後、2022年2月にオリックスの春季キャンプにテスト生として参加。
3月1日にオリックスと育成契約を結び、7月5日に支配下登録となりました。
中村勝投手、支配下選手登録おめでとう👏
新背番号は「68」
これからも応援よろしくお願いいたします✨#中村勝#背番号68#支配下選手登録#Bs2022 #プロ野球 #NPB #ORIX pic.twitter.com/6pQ0g7RTxb— オリックス・バファローズ (@Orix_Buffaloes) July 5, 2022
しかし、3試合の登板に終わり、10月に戦力外通告となっています。
海外リーグから復帰できたもののNPBで活躍することできませんでした。
2022年シーズン成績
3試合 0勝1敗 8.53 2.37
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海外リーグ挑戦の理想と現実
海外リーグに挑戦した多くの選手が1年以内に退団しています。
環境や給料面などの影響もあるかも知れませんが現実は厳しいのも現実です。
① 「海外リーグ挑戦」という厳しい現実
2019年にオランダリーグに挑戦した吉村裕基選手。
海外挑戦と聞くと派手な印象も受けますが、契約内容は「3ヵ月間で無給」という現実。
のちに当時のことについて以下のようにコメントしています。
今まで、野球のなかで一番いいところでやらせてもらっていた。オランダではケータリングとかも一切ないし、コンビニもないから、ごはんを食べるのに苦労しました。
恵まれた環境でプレーするプロ野球界から一転、アマチュアレベルのプレー環境に。
特にソフトバンクではその変化も大きかったでしょうが、海外ではそういった環境が待っています。
② 「人生経験」として挑戦する選手も
プロ野球選手としてプレーしたい思いと同時に、人生経験としてチャレンジする選手も。
確かに過去に挑戦した選手のコメントにもそうした印象を受けるものがいくつかありました。
元日本ハムの中村勝投手も以下のようにコメントしていました。
もともと自分の中に、野球以外のいろいろな体験をしてみたいなという気持ちがあったんです。NPBを離れて、初めて自由な時間ができたというか……。“自分のために使える時間”を持つならこのタイミングしかないな、と思いました。
社会人を除く多くの選手が学生からプロ野球選手となり野球の世界しか知りません。
プロ野球ともなれば身の回りのことも誰かがしてくれるし、野球に専念する環境が整います。
反面、一般社会の常識を経験することなく社会に出る選手も多いかと思います。
海外リーグを経験することで野球と同時にNPBでは得られない様々な経験を積むこともできます。
また、海外リーグの経験があることで引退後の仕事に繋がる可能性もあるかも知れません。
選手が海外移籍する際に介入する仕事や講演や執筆などの仕事に繋がる可能性も増えてきます。
自分のことを誰も知らない日本語の通じない環境でのプレー。
単純に野球を続けたいという動機とは別に、こうした経験という面でも価値があるのでしょう。
③ 海外リーグに挑戦した選手一覧
以下は2015年以降に海外リーグに挑戦した選手一覧です。
尚、FAやポスティングなど”自主的に退団”した選手は除きます。
2015年以降に海外リーグに挑戦した選手
選手名 | 所属球団 | 所属 | |
---|---|---|---|
2015 オフ |
中後悠平 | ロッテ | ダイヤモンドバックス (2016-2018/7) DeNAベイスターズ (2018/7-2019) – 引退 – DeNAベイスターズ営業部 (2020-) |
藤江均 | 楽天 | ランカスター・バーンストマーズ (2016) – 引退 – 焼肉39ゴリラ経営 (2016/12-) 境シュライクスコーチ (2018-不明) |
|
2017 オフ |
菅原祥太 | ロッテ | プエルトリコ・アイランダーズ (2018) クラブチーム新波 (2019) – 引退 – 株式会社KH (軟式野球部所属) (2020-) |
中島彰吾 | ヤクルト | デ・フラスコニンフ・ツインズ (2018/2-8) シドニー・ブルーソックス (2018/8-2018) – 引退 – 印刷会社「丸信」(2019/8-) |
|
久保康友 | DeNA | ゲーリー・サウスショア・レイルキャッツ (2018/4-5 出場無し) シュガーランド・スキーターズ (2018/7-) レオン・ブラボーズ (2019) 兵庫ブレイバーズ (2022) 富良野ブルーリッジ (2022/8-2022/10) ハンブルク・スティーラーズ (2023-) 現役 |
|
2018 オフ |
荒波翔 | DeNA | モンテレイ・サルタンズ (2019-2019/6) – 引退 – DeNA ベイスターズベースボールスクール コーチ (2019/9-) 神奈川フューチャードリームス コーチ (2020/4-) テレビ神奈川 野球解説 (2020-) |
横山貴明 | 楽天 | ニュージャージー・ジャッカルズ (2019/3-5 ビザが下りず退団) メキシコシティ・レッドデビルズ (2019/5-6) 福島レッドホープス (コーチ兼) (2019/6-2019) MLBマイナーリーグ契約待機 (リーグ中止) 高知ファイティングドッグス (2020/8-2020) – 引退 – 福島県南相馬市 原町火力発電所 (2021-) |
|
2019 オフ |
高木勇人 | 西武 | 神奈川フューチャードリームス (2020/7-12) ユカタン・ライオンズ (2021-2021/2) 神奈川フューチャードリームス (2021) ベラクルス・イーグルス (2022) 海外移籍 アグアスカリエンテス・レイルロードメン (2022) レオン・ブラボーズ (2022) 神奈川フューチャードリームス (コーチ兼) (2023) 現役 |
中村勝 | 日本ハム | サーファーズ・パラダイス・ベースボールクラブ (2020/3-8) ブリスベン・バンディッツ (2020/9-2021/2) グアダラハラ・マリアッチス (2021/2-2021) オリックス・バファローズ (2022) 士別サムライブレイズ (監督兼) (2023) – 引退 – ハヤテ223 投手コーチ (2024-) |
|
吉村裕基 | ソフトバンク | デ・フラスコニンフ・ツインズ (2019) 琉球ブルーオーシャンズ (2020) 火の国サラマンダーズ (コーチ兼) (2021) – 引退 – ホークスクスジュニアアカデミー (2022-) TBS 野球解説者 (2023-) |
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2020 オフ |
広畑塁 | 巨人 | ウィーン・ワンダラーズ (2021) 大分B‐リングス (2022-) 独立リーグ移籍 士別サムライブレイズ (2023-) 現役 |
2021 オフ |
乙坂智 | DeNA | メキシコシティ・レッドデビルズ (2022-2022/4) レオン・ブラボーズ (2022/5-6) サルティーヨ・サラペメーカーズ (2022/6-9) ブラボス・デ・マルガリータ (2022/10-) ヨーク・レボリューション (2023-) 現役 |
福永春吾 | 阪神 | 徳島インディゴソックス (2021) ドゥランゴ・ジェネラルズ (2022-2022/5) グアダラハラ・マリアッチス (2022/5) 福岡北九州フェニックス (2022/8-2022/10) 台鋼雄鷹 (2023/6-8) – 引退 – 台鋼雄鷹 コーチ補佐 (2023/8-) アブダビ・ファルコンズ (2024-) 現役復帰 |
|
小川龍也 | 西武 | モンテレイ・サルタンズ (2022-2022/4) – 引退 – 通信制大学 入学予定 (2023-) |
|
風張蓮 | DeNA | ケンタッキー・ワイルドヘルス・ゲノムス (2022-2022/7) – 引退 – |
|
陽岱鋼 | 巨人 | レイクカントリー・ドックハウンズ (2022-2022/9) ブリスベン・バンディッツ (2022/10-2023/2) ハイポイント・ロッカーズ (2023) オイシックス新潟アルビレックスBC (2024-) イースタンリーグ移籍 |
|
村田透 | 日本ハム | オークランド・トゥアタラ (2022/10-2023/1) ボン・キャピタルズ (2023/6-) 現役 |
|
2023 オフ |
平田真吾 | DeNA | カラチ・モナークス (2023/11-) 現役 DeNAベイスターズ 球団アナリスト (2024-) |
大橋武尊 | DeNA | アグアスカリエンテス・レイルロードメン (2024) 現役 |
|
2024 オフ |
内間拓馬 | カープ | オタワ・タイタンズ (2025-) 現役 |
引退後に海外リーグに挑戦した選手
選手名 | 所属球団 | 所属 | |
---|---|---|---|
2020 オフ |
福永春吾 | 阪神 | 阪神 (-2020) 徳島インディゴソックス (2021) ドゥランゴ・ジェネラルズ (2022-2022/5) グアダラハラ・マリアッチス (2022/5) 福岡北九州フェニックス (2022/8-2022/10) 台鋼雄鷹 (2023/6-8) – 引退 – 台鋼雄鷹 コーチ補佐 (2023/8-) アブダビ・ファルコンズ (2023/11-) 現役復帰 |
独立リーグから海外リーグに挑戦した選手
選手名 | 所属球団 | 所属 | |
---|---|---|---|
2020 オフ |
濱矢廣大 | DeNA | 茨城アストロプラネッツ (2021/2-7) ベラクルス・イーグルス (2021/11) ネットゥーノ・ベースボール・シティ (2022) モーリー・イーグルス・ベースボール・クラブ (2023-) 現役 |
一般企業転職後に海外リーグに挑戦した選手
選手名 | 所属球団 | 所属 | |
---|---|---|---|
2015 オフ |
上園啓史 | 楽天 | 会社員 (-2016/5) アムステルダム・ベースボール 選手兼コーチ (2016/5) デ・フランシスコニンフ・ツインズ (2016) 滋賀ユナイテッドベースボールクラブ 監督 (2017) 阪神振興アカデミーコーチ (2018) – 不明 – |
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韓国や台湾でプレーする選手は「絶滅危惧」
かつては韓国や台湾のアジア圏のプロ野球でプレーする選手もいました。
特に1990年代から2000年代にかけてNPB退団後の受け皿のひとつなっていました。
① 10年以上所属ゼロのKBO(韓国)とCNBL(中国)
しかし、近年では南米・豪州・欧州でのプレーを選択する選手が増加。
政治的影響もあるかもしれませんが、現在では韓国や台湾に所属する選手はほとんどいません。
韓国プロ野球に入団した最後の選手は2011年の金村大裕投手。
NPB退団直後に韓国でプレーする選手は11年間出てきていません。
台湾プロ野球も2021-2023年にかけて各シーズンに1選手が所属のみ。
いずれも主力選手とはなれず、シーズンを全うすることなく退団となっています。
- 2021 高野圭佑投手 8-10月所属
- 2022 牧田和久投手 5-9月所属
- 2023 福永春吾投手 6-8月所属
同時に中国プロ野球連盟に関しては2007年の礒恒之投手が最後。
ここ15年程度は元NPB選手で中国プロ野球連盟に所属した選手はいません。
【 プロ野球選手が台湾・韓国・中国プロ野球へ 】激減した「アジア圏リーグ」という選択肢
この記事には広告が含まれます 戦力外通告によりアジアのプロ野球に挑戦する選手がいます。今回はアジアのプロ野球に挑戦した選手と最近の傾向をお伝えします。 尚、プロ野球選手のセカンドキ...
② 挑戦の舞台が「アジアから全世界へ」
このように、日本人の海外挑戦の視野も時代とともに変化してきています。
現在の選手が小さな頃からMLBに触れる機会も多かった影響もあるかも知れません。
また、当時よりも現地の受け入れ態勢も整っていることも考えられます。
同時に路線拡大で移動手段も当時と比べて格段に良くなってきたこともあるでしょう。
ここ数年、海外挑戦の斡旋を行うエージェントも増えてきました。
各国でトライアウトが盛んに行われ、日本国内でも開催されることもあります。
アジア圏よりも米国・南米・欧州・豪州を選択するのも必然かも知れません。
選手としてもその方が成功した時に大きな成功をつかむチャンスは格段に高まります。
1990~2000年代と比べて、選手が海外挑戦しやすい環境に変化しています。
様々な背景があり、海外挑戦の幅も広がり、選手にとって良い環境となっています。
アスリート専門だからこそのサポート体制
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今回のまとめ
今回はプロ野球退団後に海外リーグに挑戦する選手について話を進めてきました。
近年ではアジア圏ではなく、米国や欧州や南米などに挑戦する選手が増えてきました。
時代による様々な環境変化により選手の思考も変わりつつあります。
多くの国で選手の受け入れが容易となり、各地でトライアウトも行われています。
選手にとって選択肢が増えることはとても良いことだと思います。
反面、結果が残せずすぐに解雇されるなど、日本とは違った厳しい現実もあります。
多くの選手が1年程度で退団し、帰国または引退するのも実情です。
レベルを落とせば別ですが、多くの場合で成功することはできていません。
NPB退団後に海外に挑戦する選手は今後増えていくと思われます。
それぞれの目的があると思いますが力を出し切って活躍してもらえたらと思います。
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