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8月に入って失点することが多くなったカープリリーフ陣。
そこでリリーフ陣全体がどう変化しているのかを検討していきます。
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セ・リーグリリーフ陣の各チーム防御率
カープリリーフ陣の防御率は5月は良かったものの、その後は徐々に悪化。
8月はリーグワーストを記録し、2019年で最も悪い防御率となっています。
夏場に向けて悪化するチームが比較的多い中で中日と巨人は改善傾向。
6月に一旦悪化しているものの、その後は順調に改善していきています。
阪神に関しては月別で上下動は少なく、低い防御率で安定した状態です。
近年はリーグ屈指のリリーフ陣を誇り、その良さがよくわかります。
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カープの月別の「与四球率」と「被打率」の分布
次にカープリリーフ陣の与四球と被打率に注目していきます。
8月は与四球と被安打のどちらかへの偏りなく共に悪化しました。
チームが好調だった5月や7月と比べるとずいぶん悪化しました。
そして、これらの数字とチーム成績が連動した形となっています。
図2 カープの月別の与四球率と被打率
① カープリリーフ陣の与四球率
中村恭平投手と遠藤淳志投手は8月に入って与四球率が急増。
2人とも10%を切っていましたが、1.5~2倍まで跳ね上がっています。
2019年から新たに1軍に加わり、リリーフ陣を引っ張ってきた2人。
ここに来て疲労や相手打者の慣れなどの影響もあるのかも知れません。
図3 カープリリーフ陣の月別の与四球率
② カープリリーフ陣の被打率
8月の被打率を見ても、遠藤淳志投手は3割超まで悪化しています。
リリーフ失敗の多いヘロニモ・フランスア投手も8月に入って被打率が急増。
また、7月は奮闘した今村猛投手も8月は被安打される場面が増えました。
図4 カープリリーフ陣の月別の被打率
③ カープリリーフ陣の与四球率と被打率の関係
与四球と被打率の散布図を見ると傾向がよくわかります。
遠藤淳志投手は与四球率と被打率がともに増加し、右上に位置しています。
ヘロニモ・フランスア投手は被打率、中村恭投手は与四球率に偏りました。
逆に菊池保則投手は夏場に入って良い投球を見せています。
投手陣がバテてくる夏場にフル回転できる投手はチームとしては助かります。
図5 カープリリーフ陣の与四球と被安打
毎年のように起きるリリーフ陣の「登板過多」
2019年も一部の投手が登板過多となってしまう投手起用となっています。
勝ちパターンの投手がビハインドの場面や大量リードで投げることも多々あります。
僅差が続くと同じ投手を連投させることも多く、特に若手投手はそれを強いられます。
2019年で言えば遠藤淳志投手ですが、ありとあらゆる場面で登板してきました。
① 「セーブ数の倍以上に登板」した中﨑翔太投手
今村猛投手なども過去に経験しましたが、近年では中﨑翔太投手もそれに近い状態。
点差のある勝ち試合でも負けている試合でも、ベンチは勝ちパターンに拘ってきました。
特に2018年はセーブ数が32であるのに、登板数が倍以上の68試合に。
失点してセーブがつかなかった時もありますが、とはいえ倍以上の登板は多過ぎます。
そうした状態で複数年に渡り、登板過多が続けばどこかで体が悲鳴をあげてしまいます。
特に3連覇をしているとオフもまともにないまま、翌シーズンに挑むことになります。
[ 中﨑翔太投手の登板成績 ]
登板成績 | |
---|---|
2015 | 69試合 0勝6敗29S 2.34 |
2016 | 61試合 3勝4敗34S 1.32 |
2017 | 59試合 4勝1敗10S 1.40 |
2018 | 68試合 4勝2敗32S 2.71 |
② 「負荷調整」のマネジメントも必要
シーズン中の登板パターンを限定するなり、ある年は登板数を制限すると決めるなり。
本人と話し合ってどこで負荷調整をしていかないと、短期間で潰れてしまいます。
その投手が離脱することになれば、また新たな投手が登板過多となります。
そうやって「出てきては潰れ、出てきては潰れ」を繰り返すだけになってしまいます。
負荷がかかった年の翌年は調整を入れたり、早期からチームから解放するなど。
様々な方法を用いながら負荷対応していかないと戦力的に足りなくなっていきます。
ソフトバンクや巨人のように選手層が厚いチームであれば良いかも知れません。
簡単に補強のできないカープにとって潰さないこともマネジメントとして必要でしょう。
2019年だけに限ったことではないが、その「投手運用」に疑問を感じます。
一時の起用で投手生命が短くなることのないような投手管理は大事ですね。
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今回のまとめ
今回は8月のカープリリーフ陣について話を進めてきました。
チーム全体でみても与四球率と被打率が悪化しているのがわかりました。
毎年のように登板過多が問題視されているのもカープ。
3連覇中もそうだったが、全ての試合を勝ちに行こうとし過ぎる傾向もある。
捨て試合というと聞こえは悪いですが、主力を休ませる試合も必要です。
点差がある試合まで勝ちパターンにこだわっているとリリーフ陣も持ちません。
ここから新たな補強はありませんし、若手の台頭の可能性も低いです。
現在のリリーフ陣たちの奮闘と監督・コーチの的確な投手運用に期待しています。
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