【 ドーピング違反発覚 】サビエル・バティスタ選手で浮き彫りになった3つの問題点について

 

広島に衝撃を与えたバティスタ選手のドーピング違反から10日。
今後どのような処分が下り、どんな問題があるのかをを検討していきたい。

 

 

– Sponsored by Google –

 

衝撃が走ったドーピング違反の発表

 

8月17日にサビエル・バティスタ選手のドーピング違反が発表されました。
想像もしていない突然の発表で野球界のみならず広島県内にも衝撃が走っています。
その後、経過や違反薬物に関してはNPBからもカープからも発表されていません。

そこで、今後はどのような処分を受け、どうなっていくのかを考えていきます。
また今回のドーピング違反の件で抱えている3つの問題についても触れていきます。

 

① 過去のドーピング違反の選手たち

 

過去にNPBのドーピング違反は6人おり、そのうち外国人選手5人。
違反した外国人選手とそれぞれの処分は以下の通りです。

MLBでの薬物使用の処分

選手名 処分内容
2007 リック・ガトームソン (ソフトバンク) 20日の出場停止 (制裁金750万円) ()
2008 ルイス・ゴンザレス (巨人) 1年間の出場停止 ()
2008 ダニエル・リオス (ヤクルト) 1年間の出場停止 ()
2018 ジャフェット・アマダー (楽天) 6ヵ月の出場停止 (自宅謹慎) ()
2019 ジョーイ・メネセス (オリックス) 1年間の出場停止 ()

 

唯一の日本人選手は、当時中日に在籍した井端和弘選手。
禁止薬物の入った治療薬の申請ミスによるものでした。

処分は意図的ではないと判断され、1番軽い譴責(けんせき)に。
同時に、球団からは制裁金として300万円の命令が下されました。

 

– Sponsored by Google –

 

② ドーピング違反の通達後の流れ

 

カープにドーピング違反決定の連絡があったのが8月16日の午後9時。
ちょうど10日経ちますが、その間に本人の弁明の機会が設けられています。

 

その弁明を聞き取ったあと、20日以内に調査選定委員会が開かれ処分が決定。
つまり、弁明の期間と委員会の期間の30日以内に判断が下ることになります。

処分の中身に関してはNPB(日本プロ野球機構)の規約では以下のとおりである。

  1. 譴責(けんせき) 始末書をとり、将来の戒め(いましめ)とする
  2. 一定期間の出場資格停止 (1試合以上10試合以下の出場停止)
  3. 一定期間の出場資格停止 (1年以下の公式戦出場停止)
  4. 無期限の出場資格停止

 

ケガや病気の場合はTUEを申請

やむを得ずケガや病気をした場合は治療使用特例(TUE)を申請できます。
申請によりNPBが承認した場合は、禁止物質を用いることが可能となります。

 

② MLBでのドーピング違反後の流れ

 

では、MLBの場合はどうなっているのでしょうか。
2014年からは罰則が厳格化され、違反回数により3段階の処分となっています。

  • 発覚1回目 80試合の出場停止
  • 発覚2回目 162試合の出場停止
  • 発覚3回目 永久追放

 

MLBの場合、NPBとは異なり「一発アウト」の契約解除ではありません
詳しい人はわかると思いますが、MLBでは度々違反した選手の話は耳に入ります。
日本でも有名な元スター選手も数年前にドーピング違反で出場停止となっています。

ただし、永久追放になったあとに復帰している選手もいます。
ヘンリー・メヒア(Jenrry Mejía)投手は永久追放後に2019年に復帰しています。

一旦、永久追放した選手が復帰できてしまうシステムにも少し疑問を感じます。

 

– Sponsored by Google –

 

バティスタ選手の処分における「3つの問題」

 

ここからはタイトルにある「3つの問題」に触れていきます。
起きている問題は非常に大きく、余波は小さいとは言えなくなっています。

① 「1年の出場停止の場合」で起きる問題

 

まず真っ先に考えるのが「1年間の出場停止」の場合です。
9月に決定しても、現時点から1年間の場合の復帰は来年の9月になります。

ただ、それも復帰時期がそこにあるだけで、当然すぐに1軍復帰とはなりません。
練習するとはいえ、休んでた状態から1軍の試合に出て結果が出る程甘くありません。

通常であれば、キャンプやオープン戦から徐々に慣れてシーズンに入っていきます。
処分明けに一足飛びに1軍に復帰したとしてもまともに活躍できると思えません。

例えば、イチロー選手が2018年5月から長期間試合から遠ざかったことがありました。
復帰後、守備や走塁に関しては休む前と遜色なかってのでが、打撃は精彩を欠きました

プロ野球でなくても、投げること走ることよりも打つ方のブランクは大きいです。
当然ながら、相手が投げてくる球に対応する必要があるので対応能力が落ちる。
ましてやプロ野球の1軍投手の球となるとそう簡単に打てるものではありません。

そう考えると、2020年の9月に復帰しても、本格復帰は実質2021年になります。
仮に2021年に復帰したとしても、これまでのような打撃ができる保証はありません。

 

② 「6月の時点で出場させるべきだったのか」という問題

 

1つ目の検体のドーピング違反は6月にすでに判明しています。
その時点で故意であれ故意ではないであれ「違反」であることに違いありません。

本人が否定していたとしても、結果として検出された事実は変わることは無い。
その時点で一時的にでも出場を停止するなどの処置は取れなかったのでしょうか。

さらに問題なのは6月以降出場したことでチーム成績に影響したことです。
2019年はサビエル・バティスタ選手の打撃成績とリンクする形となっていました。

一旦決まった勝敗を変える訳にもいかないし、白紙に戻す訳にもいきません。
最悪の場合、どこかの球団からNPBにクレームを入れられてもおかしくない。

詳細な手順はよくわかりませんが、もう少し適切な対応は無かったのでしょうか。
一時的な措置を取るなり、早めに公開するなり何か対応はできたのではと思います。

 

③ 「どのような経緯だったのか」という問題

 

今回の問題はどのような経緯で違反が起きたのでしょうか。
故意であったのか、故意ではなかったのか、どういった経緯で摂取したのか。

薬物違反は何も意図的に禁止薬物を摂取した時だけ起こる訳ではありません。
薬局などで売られている市販薬を摂取しただけでも簡単に検査にひっかかります

また、他者によって飲食物に薬物を混入される危険性もあります。
そのため、外出時に他人から渡されたものを安易に口にしない注意も必要です。

現役時代の為末大さんは1度手から離れたペットボトルは飲まなかったそうです。
プロ陸上選手としてそれだけ薬物摂取に注意を払いながら対策をされていました。

 

そうして故意ではなくても、ちょっとした油断で薬物摂取は起るのです。
プロ野球選手として普段からそのことをどれだけ注意できていたのでしょうか。

いずれにせよ本人に何かしらの問題があったのは事実です。
再発を防止するためにも、今回の経緯をハッキリさせておく必要があります。

 

– Sponsored by Google –

 

NPBとの協定により「MLBでも試合に出られない」

 

もし日本で解雇になった場合はMLBでプレイしたら良いと考えるかも知れません。
しかし、NPBとMLBは協定を結んでいるため、MLBでも処分内容は引き継がれます

もし1年間の出場停止の処分が下れば、MLBでも1年間出場することができません。
簡単に「NPBがダメならMLBで復帰」と言う訳にはいかない仕組みになっています。

その他の国のリーグではそれぞれで規約があるため出場できるリーグもあります。
ただし、NPBやMLBのような高い年俸は用意されず、環境も悪くなるのは確実です。

 

6ヵ月間の出場停止処分弁が決定 : 9月3日追記

 

9月3日にNPBより「6ヵ月の出場停止」との処分が発表されました。
異議申し立てはしないようですが、球団を通じて以下のようにコメントしています。

「どうか皆さま、信じてください。私は禁止薬物が成績を上げる助けにはならないと考えているため、今までステロイドや他の薬品を使用したことはありません。もし契約を継続してもらえるなら、勝利に貢献し、優勝できるよう最善を尽くしたいです」

【広島】バティスタ6か月出場停止「信じてください」意図的摂取は否定 / スポーツ報知

 

 

その後の動向については以下の記事に詳しく掲載しています。

 

– Sponsored by Google –

今回のまとめ

 

今回はサビエル・バティスタ選手のドーピングについて話を進めてきました。
個人的にもカープファンの方にとっても非常に残念な出来事となりました。

とりあえず、不明なことが多く予測が付きにくい状況です。
経緯や検出薬物に関しては、現時点でどこからも発表はされていません。

処分と同時に発表となる見込みで、どういった処分になるかが待たれます。
前例から考えると「1年間の出場停止」となる可能性も考えられます。

ただ、意図的であっても、意図的でなくても本人の責任に変わりあまりせん。
その責任は重く、球界やチームへの影響はかなり大きいものとなりました。

今回の経緯を明らかにし、再発防止に向けて取り組む必要があります。
まずはNPBからの処分の発表を待ち、本人とチームの今後の動向に注目しましょう。

 

他にも記事を読みたい

 

 

この記事のタイトルとURLをコピー


 

※ 文章・画像の転載はご遠慮ください