新外国人投手としてニック・ターリー投手との契約が合意に至りました。
今回はニック・ターリー投手のこれまでのキャリアについて話を進めていきます。
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ニック・ターリー投手と契約合意
11月9日にニック・ターリー投手との契約が発表されました。
マスコミ各社に向けて発表された契約状況は以下の通りです。
- Nik Turley (Nikolas Carlyle “Nik” Turley)
- 1989年9月11日
- 193cm・104kg
- 左投げ・左打ち
- 契約金 1100万円 (10万ドル)
- 年俸 7300万円 (65万ドル)
- 背番号 68
日本のマスコミに対し、広報を通じて以下のようにコメントもしています。
カープおよび広島の皆様のためにプレーできる機会を頂けて興奮しています!
シーズンが始まることを待ちきれません。応援よろしくお願いします。
① アメリカでのキャリア
まずはアメリカでのキャリアを振り返っていきます。
概要 | |
---|---|
2008年 | ニューヨーク・ヤンキースにドラフト50巡目で入団 |
2015年 | サンフランシスコ・ジャイアンツに移籍 |
2016年 | シカゴ・ホワイトソックスに移籍 (スプリングキャンプで自由契約) |
2016年 | ボストン・レッドソックスに移籍 (7月に自由契約) |
2016年 | サマセット・ペイトリオッツ(独立リーグ)に移籍 |
2017年 | ミネソタ・ツインズに移籍 |
2018年 | ピッツバーグ・パイレーツに移籍 (スプリングキャンプで自由契約) |
2021年 | シカゴ・ホワイトソックスに移籍 |
メジャーデビューしたのはプロ10年目の2017年の遅咲き投手。
しかし、その後も2020年に20試合登板を果たしたのみで目立った活躍はありません。
2017年メジャーデビュー
また、2016年7月からは独立リーグに所属し、MLBから一旦離れています。
所属先はサマセット・ペイトリオッツで、主に先発投手として活躍しました。
② メジャーリーグでの成績
続いて、2021年のシーズン成績を振り返ります。
上段がマイナー成績、下段がメジャー成績になります。
2021年通算成績
概要 | |
---|---|
2021年 Minor | 43試合 (43回) 1勝4敗5S 5.02 WHIP 1.140 |
2021年 Major | 登板なし |
MLB・マイナー通算成績
概要 | |
---|---|
Minor通算 | 219試合 (830回2/3) 53勝51敗7S 3.51 WHIP 1.286 |
Major通算 | 35試合 (39回1/3) 0勝5敗1S 7.78 WHIP 1.576 |
プロ14年でMajorでの初勝利はなく、登板数もわずか35試合でした。
メジャーで登板したのも2017年と2020年のわずか2年となっています。
③ 2018年に禁止薬物使用で80試合の出場停止
2018年1月には禁止薬物検査で陽性反応がでたことで80試合の出場停止となっています。
検出されたのはイパモレリン(Ipamorelin)で成長ホルモンの分泌を増加させる作用がある物質です。
前週にチームメイトのモンタナ・デュラパウ投手が薬物検査陽性で50試合の出場停止に。
よってピッツバーグ・パイレーツは短期間で2人の選手が出場停止を受けたことになります。
外部記事
Pirates reliever Nik Turley suspended 80 games after positive drug test / Pittsburgh Post-Gazette
④ トミージョン手術で2年間のブランク
2018年は出場停止だけでなく、トミージョン手術も行っています。
それにより、2018-2019年の2年間は登板することなくリハビリに専念しています。
のちにメディアのインタビューで当時の苦悩を語っています。
ケガを経験したのが初めてて、プレーしたくてもできない苦しさを吐露しました。
When the season is going and you can’t play, that’s probably the hardest part,
シーズンが始まってプレーできないとき、それが一番つらいことです。
Knowing guys that are playing, you’re hoping for the best for them and watching the season go by. You get that itch to play but you know you’re not going to. That was tough
活躍している選手を見ていると、活躍している選手のことを知り、彼らのためにベストを尽くし、シーズンが過ぎていくのを見守っています。プレーしたくてたまらなくなりますが、プレーできないことはわかっています。あれは大変でした。
ただ、世界的な感染症拡大により2020年のシーズン開幕が遅れたことが好転。
スプリングキャンプ時には痛みがあった肘の回復期間を十分確保することができました。
結果、7月には3年ぶりのメジャー復帰を果たすに至りました。
2018年以降はいろいろとありましたが、無事に選手として復帰しています。
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先発もリリーフもこなせる万能タイプ
プロ入りした2008年からの年間登板数をみていきます。
メジャーとマイナー通算254試合の登板で、先発とリリーフがほぼ5割程度。
どちかの偏りはなく先発もリリーフもこなせるタイプのようです。
2012年と2013年は先発ローテとして1年間フル回転し2度の二桁勝利を記録。
ただ、2020年の復帰後は先発はなく、全68試合のすべてがリリーフ登板。
カープにおいても同様に、主にリリーフ投手としての起用が想定されています。
① 球種や投球タイプは?
球種をみていくと、主に投げているのは2種類。
以前は複数投げていたようですが、現在は4シームとカーブに限定しています。
回転数の多いカーブを投じており、変化量が大きいのが特徴。
ただ、スイング率がかなり低くため見送られるという側面もあります。
4シームとカーブの中間球が1つ投げれればというのが正直な所です。
日本野球だとMLBより振らない傾向であるため球種の追加が必要と思われます。
とはいえ、データはメジャーで投げた2020年のもので、2021年は不明です。
TJ手術の復帰後ということもあり、球種を制限していた可能性もあります。
② 基本路線は”左のリリーフ起用”
基本的には左のリリーフ候補としての起用が中心となると予想されます。
ヘロニモ・フランスア投手も全盛期の投球はできず、日本人リリーフ左腕も不安定。
2021年に33試合に登板したカイル・バード投手の契約を更新をしませんでした。
先発もこなせるタイプではありますが、よほどのことがない限りはリリーフ確定でしょう。
ただ、前述の通り、球種が2つしかないことが懸念材料となります。
改めて4シームとカーブの中間球が投げられるかどうかが鍵になってきそうです。
主な左のリリーフ投手
2021年成績 | |
---|---|
森浦大輔 | 54試合 (48回1/3) 3勝3敗 3.17 WHIP 1.24 |
塹江敦也 | 51試合 (42回1/3) 5勝4敗 4.25 WHIP 1.72 |
高橋樹也 | 27試合 (26回1/3) 0勝0敗 1.32 WHIP 1.39 |
2022年新外国人選手の記事はこちら
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今回のまとめ
今回はニック・ターリー投手の話を中心に進めてきました。
メジャーデビューがプロ10年目と遅咲きの投手ということがわかりました。
現在のところはリリーフ投手のとしての起用が考えられています。
球種の少なさが気になるところなので、中間球を増やしたいのが本音です。
数はいるものの不安定要素の多い左のリリーフ投手陣。
ピンチを乗り切れるピッチングでフル回転の活躍を期待しています。
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