【 将来の4番候補 林晃汰選手 】三塁のレギュラー定着へ向けて交流戦でみえた”光と影”

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交流戦でブレイクして一気にレギュラーも見えてきた林晃汰選手。
今回は交流戦を通じてみえたものと今後の課題について話を進めていきます。

 

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当記事は2020年オフの投稿したものです

 

3年目の交流戦でブレイク

 

まずは林晃汰選手の2021年の成績を振り返ります。

23試合 .384 (33/86) 3本 16打点 OPS .939

 

規定打席には達していないものの、.400に届く高打率を残しています。
また、OPSはチームトップの.939を記録し、鈴木誠也選手を上回っています。

① 打ちまくった交流戦

 

ブレイクのきっかけとなった交流戦の打撃成績。
改めて振り返ると、高卒3年目としては十分な活躍といえるでしょう。

17試合 .339 (20/59) 2本 7打点 OPS .835

 

60打席以上の打者では打率、出塁率、長打率、OPS、得点圏打率はチームトップ
鈴木誠也選手や西川龍馬選手ら主力が不振だったカープ打線を牽引した形となりました。

 

② 交流戦の得点圏打率は.667で12球団トップ

 

12球団でみていくと交流戦の得点圏打率は12球団トップ(60打席以上)。
実績のある選手たちを押しのけて、チャンスでの勝負強さを披露しました。

  • 林晃汰 (カープ)     .667
  • 呉念庭 (西武)      .625
  • 大和 (DeNA)       .600
  • 福田周平 (オリックス)  .583
  • ゼラス・ウィラー (巨人) .583

 

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交流戦でみえた影の部分

 

ただ、交流戦を通じて気になることがいくつかありました。
ここからはデータからそれらを振り返っていきたいと思います。

① 完全に抑え込んだソフトバンクとオリックス

 

ここまでみてきたように高卒3年目として十分な活躍をみせています。
しかし、細かくデータや試合をみていくと対戦成績に気になる点がありました。

チーム別打撃成績

打撃成績 2軍
西武 .625 (5/8) 0本 2点 OPS 1.42 イースタンリーグ
楽天 .500 (6/12) 1本 3点 OPS 1.25  イースタンリーグ
ロッテ .375 (3/8) 1本 1点 OPS 1.125 イースタンリーグ
日本ハム .364 (4/11) 0本 1点 OPS .818 イースタンリーグ
オリックス .111 (1/9) 0本 0点 OPS .222 ウエスタンリーグ
ソフトバンク .091 (1/11) 0本 0点 OPS .258 ウエスタンリーグ

 

上記の通り、極端に打っているチームと打っていないチームに分かれます。
西武・楽天・ロッテに関してはOPSが1.00を超え、強打者レベルとなっています。

反対に、オリックスとソフトバンクに対してすべての成績が劣化しています。
このように”両極端”なチーム別打撃成績が2021年の交流戦ではみられました。

 

② ウエスタンリーグでの対戦データの影響

 

こうした結果を考察していくと2軍での対戦経験も考えられます。
好成績を残したチームをみるとすべてイースタンリーグ所属です。

反対に完全に抑え込んだ2チームをみるとウエスタンリーグ所属でした。
つまり、過去に対戦経験が多いかどうかが影響している可能性があります。

当然ながら、対戦成績が多ければデータも十分にあります。
2軍戦とはいえ、打てる球種、コースなどのデータは揃っているでしょう。

また、若手投手であれば2軍で対戦した投手も多くいます。
同時に対戦経験から得た情報を1軍投手陣に伝えることも十分可能でしょう。

当然、イースタンリーグでもある程度のデータは持っています。
しかし、そのほとんどは映像分析によるもので実際の経験ではありません。

 

③ 過去の2軍打撃成績は.260程度

 

実際に過去の2軍打撃成績を振り返ります。

2019-2021年ウエスタンリーグ打撃成績

打撃成績 長打指標
2019 .225 (71/315) 7本 35点 OPS .674 IsoP .187
2020 .266 (69/259) 9本 40点 OPS .762 IsoP .166
2021 .266 (34/134) 6本 18点 OPS .749 IsoP .159

 

以上のように2軍戦であっても高打率を残す選手ではありませんでした。
高打率ではないものの長打も打てる中距離打者タイプといったところです。

 

④ 打てるコースに配球が集まった交流戦

 

交流戦で高打率を残せた理由として配球がありました。
安打の多くが真ん中から外の高めの球で、最もバットのでやすいところ。

特に左投手に関してはインコースに投げきれず、外中心の配球に
また、外角低めに構えていているも高めに抜けて打たれたりもしました。

交流戦 対右投手/対左投手の打撃成績

打撃成績
対右投手 .306 (15/49) 2本 5点 二塁打 2 三塁打 0 IsoP .163
対左投手 .400 (4/10) 0本 2点 二塁打 0 三塁打 0 IsoP .000

 

野球界には“左打者には左投手”というセオリーがあります。
しかし、それもインコースに投げれてこそ効果のある戦術です。

単に左投手をぶつけても打ちやすければ何も意味がありません。
左対左の優位性を利用できないのであれば右投手の方が良いでしょう。

結果、左投手に対して.400の高打率を記録しました。
交流戦で外に逃げる球をレフト前に打つ姿が頻繁にあったのもうなずけます。

 

補足

スイング特性上、”真ん中からインコースの落ちる球”の対応は難しいかと思います。
この点について交流戦の解説者で唯一、黒木知宏氏は初見で気付いててさすがですね。

 

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本当の勝負は交流戦後から始まる

 

ブレイクといって良い活躍をみせた林晃汰選手の交流戦。
交流戦も終わりセ・リーグとの対戦が再開し、本当の勝負はここからです。

① 打席数を重ねてデータが揃ってきた

 

交流戦で打席を重ねることである程度のデータも揃ってきました
それに伴い、キーマンとなる林晃汰選手への各球団の対策も進んできます。

打てるコース、高さ、球種ともに傾向はすでに出ています。
投手が投げ切れるかどうか別として、ほぼほぼ攻略法はわかっているはず。

今後は高めのストライクゾーンへの投球は減っていくでしょう。
また、インコースや落ちる球は増え、配球は厳しさを増していきます。

配球が変わることで打てていた外の球が打てなくなる可能性もあります。
対セ・リーグになってくると交流戦のようには打たせてはくれないでしょう。

 

② 大盛穂選手と羽月隆太郎選手が”ぶつかった壁”

 

昨年ブレイクした大盛穂選手もマークがきつくなると打撃成績は下降
配球は変わり、落ちる球を多投され、三振する姿が多くみられるようになりました。
2021年シーズンはほとんどを2軍で過ごし、2軍でも打撃面で結果が出せずにいます。

2021年 2軍打撃成績

22試合 .256 (22/86) 0本 2打点 OPS .592

 

また、羽月隆太郎選手も2021年は外野を守り、一時は高打率を記録しました。
2軍でも記録していない初本塁打も放ち、一躍レギュラー候補まで浮上しています。
しかし現在はストレートに差し込まれる場面も増え、打撃成績は急下降しています。

2021年 1軍月別打撃成績

打撃成績
3-4月 14試合 .368 (14/45) 0本 4打点 OPS .888
5月 10試合 .257 (9/39) 1本 5打点 OPS .726
6月 9試合 .118 (2/20) 0本 2打点 OPS .328

※ 6月28日に出場選手登録抹消により2軍降格

 

③ レギュラーに定着できるのかの正念場

 

レギュラーを取る選手の多くが一旦つかんだチャンスを逃さず定着しています。
一時的に活躍する選手は多い中、レギュラーとして残る選手はわずかしかいません。

かつての天谷宗一郎選手や岩本貴裕選手もそうでした。
短期間は高打率を記録しても、それを続けるはの難しく控えに回りました。

好成績を残し、対戦相手のマークがきくつなってからが本当の勝負所。
ここを乗り越えるかどうかがレギュラーになれるかどうかの鍵になってきます。

 

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今回のまとめ

 

今回は林晃汰選手の交流戦の話を中心に進めてきました。
将来の主砲として期待されている高卒3年目の伸び盛りの選手。

交流戦で一気にブレイクしてレギュラーもあと一歩。
ここまで順調だった打撃をここからもある程度維持できるかどうか。

セ・リーグとの対戦が再開してここからが本番です。
配球もどんどん厳しくなり簡単には打たせてもらえなくなります。

不動のレギュラー定着なるか、それとも控えに回るのか。
壁を乗り越えレギュラーとして活躍する姿を期待しています。

 

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