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25年ぶりの優勝を果たした2016年から3連覇のカープ。
第2黄金期を迎えつつあるカープを数回に分けて振り返ります。
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3年間続けて規定投球回達成者はゼロ
3連覇した3年間で規定投球回数を達成した先発投手は以下の通りです。
ちなみに2017年のリーグ最高勝率の薮田和樹投手は規定投球回には達していません。
- 2016年 ジョンソン、野村祐輔、黒田博樹
- 2017年 大瀬良大地、野村祐輔
- 2018年 ジョンソン、大瀬良大地
見てわかる通り、先発として3年間続けて活躍した投手はいません。
前田健太投手のように毎年安定して好成績を残せる投手のすごさがわかります。
「毎年5月には開幕ローテが崩れる」とキャンプ前に緒方孝市監督が語っていました。
改めて見てみると、監督のいう通り安定した先発投手陣という訳ではなさそうです。
リーグ3連覇中の「先発勝利数」を振りかえる
先発投手の勝利数を年度別に順に並べます。
[ 2016 ]
野村祐輔 25試合 16勝3敗 2.71 152回2/3
ジョンソン 26試合 15勝7敗 2.15 180回1/3
黒田博樹 24試合 10勝8敗 3.09 151回2/3
[ 2017 ]
薮田和樹 38試合 15勝3敗 2.58 129回
岡田明丈 24試合 12勝5敗 4.00 141回2/3
大瀬良大地 24試合 10勝2敗 3.65 145回2/3
[ 2018 ]
大瀬良大地 27試合 15勝7敗 2.62 182回
ジョンソン 24試合 11勝5敗 3.11 144回2/3
2017年の薮田和樹投手の登板数に関しては中継ぎも含む数字です。
2016年と2017年には2桁勝利投手が3人ずついましたが、2018年は2人に減少。
勝ち頭は2016年は野村祐輔投手、2017年は薮田和樹投手、2018年は大瀬良大地投手。
毎年、勝ち頭の投手が変わる点が“絶対的エース”がいないチーム状況と言えます。
ただ、大瀬良投手が2年連続で達成し、3年連続がかかる2019年に注目です。
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リーグ3連覇中の「クオリティースタート率」を振りかえる
次にクオリティースタート率を年度別に順に並べます。
[ 2016 ]
野村祐輔 68.00%
ジョンソン 92.31%
黒田博樹 66.67%
[ 2017 ]
薮田和樹 80.00%
岡田明丈 54.17%
大瀬良大地 58.33%
[ 2018 ]
大瀬良大地 77.78%
ジョンソン 58.33%
まず2016年のクリス・ジョンソン投手に注目です。
この年に記録した92.31%というすごい達成率に圧倒されます。
26試合に登板し、24試合で「先発の役割」を果たしたことになります。
前田健太投手が沢村賞を受賞した2015年に記録した89.66%を超える数字。
この年のクリス・ジョンソン投手がどれだけすごかったのかがわかります。
大瀬良大地投手に目を向けると2017年から大幅に数字を伸ばしました。
2017年はなんとか2桁に乗せた感もあり、2018年の飛躍が垣間見えます。
① 2015~2018年のクオリティースタート率上位3投手
セ・リーグのクオリティースタート率上位3投手を年度別に順に並べます。
[ 2015 ]
前田健太 89.66%
ジョンソン 85.71%
マイコラス 85.71%
菅野智之 80.00%
[ 2016 ]
ジョンソン 92.31%
菅野智之 84.62%
メッセンジャー 78.57%
[ 2017 ]
菅野智之 84.00%
マイコラス 81.48%
秋山拓巳 72.00%
[ 2018 ]
大瀬良大地 77.78%
菅野智之 70.37%
メッセンジャー 67.86%
これをみても、2016年のジョンソン投手が記録した92.31%が異次元だとわかります。
近年では90%を超える投手は他にはおらず、次点でも前田健太投手の89.66%。
85%台でクリス・ジョンソン投手とマイルズ・マイコラス投手が続きます。
ジョンソン投手に関しては、2016年だけでなく、2015年も突出した数字を残しました。
そう考えると、2017年がなぜ活躍できなかったかと疑問がある方もいるはず。
この年は4月から咽頭炎で登録を抹消され、シーズン通して体調不良が続きました。
もし、この年も順調な成績を残せていたら、どれだけの数字を残したでしょうか。
そういった意味でも、2018年は復帰初年度と考えると十分な成績を残しています。
菅野智之投手は全ての年に名前があり、先発としての能力の高さを示しています。
マイルズ・マイコラス投手とランディ・メッセンジャー投手もさすがの安定感です。
最後に注目すべきは2015年です。
80%を超える投手が4人も存在するのは近年では他にはありません。
黒田投手が帰国した年でクオリティスタート自体が注目された時期でもあります。
もしかすると、クオリティースタートを意識した投手起用があったのかも知れません。
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投手としてハイレベルなクリス・ジョンソン投手
ここまで馴染(なじ)みのあるデータから振り返ってみました。
ここから本格的なデータに移りますが、細かな数字は省力して進めます。
2018年の大瀬良大地投手とクリス・ジョンソン投手を比較します。
ただ、一般的な投手成績では野手や球場など投手以外の影響を受けてしまいます。
そのため、ここでは“投手としての能力のみ”を抽出したデータを用いて比較します。
この評価でみた場合、2018年はジョンソン投手の方が良い結果を残しています。
また、2015年は前田健太投手に次ぐチーム2位、2016年はチーム1位を記録。
咽頭炎で苦しんだ2017年を除けば、チームNo.1の能力を安定して維持しています。
大瀬良投手に関してはリーグワーストの被本塁打率でマイナスポイントとなりました。
もともと「一発屋」の傾向が強い投手で、絶対的エースになるためには改善が必要です。
今回のまとめ
ベーシックなデータを中心にカープの先発陣を振り返ってみました。
ジョンソン投手のずば抜けた投手としての能力を再確認できたと思います。
三振を多く取るタイプではないため、圧倒的なイメージないかも知れません。
しかし、いくら三振が取れても、点を取られたり、負けては仕方ありません。
先発として試合を作り、チームの勝利にどれだけ貢献するかを重要視するべきです。
そういった意味では、ジョンソン投手が現時点でチームNo.1先発投手と言えます。
大瀬良投手の視点に立てば、これからが本当の勝負になってきます。
そういった意味ではここから大瀬良投手が”真のエース”として君臨できるのか。
入団以来、毎年コンスタントに成績を残し続けるクリス・ジョンソン投手。
大瀬良大地投手の成長と共に、”左右のエース”として活躍を期待しています。
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