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プロ野球には毎年多くの高卒捕手たちがプロ入りしてきます。
今回は高卒捕手たちの1年目の打席数を比較してその傾向を検討していきます。
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現役高卒捕手たちの1年目の打席数
まずは現役高卒捕手の1年目の打席数をピックアップします。
多くの打席に立った選手、ほとんど打席に立っていない選手と様々です。
まずはセ・リーグの高卒新人捕手の1年目の打席数です。
1年目から1軍で多くの打席に立った2選手が目立つのが特徴です。
続いてパ・リーグの高卒新人捕手の1年目の打席数です。
セ・リーグに比べて、高卒捕手の在籍数が多いのがわかります。
- 坂本勇人 (巨人)
- 二俣翔一 (カープ)
- 内山壮真 (ヤクルト)
- 牧原巧汰 (ソフトバンク)
- 居谷匠真 (ソフトバンク)
- 谷川唯人 (ロッテ)
- 水上桂 (楽天)
- 江川侑斗 (楽天)
- 中川拓真 (オリックス)
- 釣寿生 (オリックス)
① 群を抜いて打席に立った3選手
高卒新人捕手で群を抜いて打席に立ったのは以下の3選手になります。
- 森友哉 (西武) 349打席
- 高城俊人 (DeNA) 330打席
- 坂倉将吾 (カープ) 317打席
特に森友哉選手と高城俊人選手は1軍での打席数が約1/3を占めています。
坂倉将吾選手は総打席数は多かったものの、全打席の98%が2軍の打席でした。
いずれの選手も複数年に渡り1軍の主力捕手として活躍しています。
共に高校時代から強打の捕手として定評あり、打撃面でも期待されました。
高校通算本塁打とドラフト指名順位
高校通算本塁打 | ドラフト指名順位 | |
---|---|---|
森友哉 (大阪桐蔭) | 41本 | ドラフト1位 |
高城俊人 (九国大付) | 21本 | ドラフト2位 |
坂倉将吾 (日大三) | 25本 | ドラフト4位 |
② 1年目から多くの打席に立たせる「日本ハム」
チーム別にみていくと日本ハムの選手起用が特徴的です。
移籍してきた黒羽根利規選手を除く、生え抜きの選手をみていきます。
- 清水優心 259
- 郡拓也 217
- 田宮裕涼 214
- 石川亮 288
他球団に比べて積極的に若手を起用することで知られる日本ハム。
登録選手数を少なくして、各選手の出場機会を増やす戦略をとっています。
その方針は捕手でも同じ傾向だということがよくわかります。
すべての捕手が200打席以上を経験し、計画的な起用方針がみてとれます。
同時に、田宮裕涼選手を除く3選手が1年目から1軍出場を果たしています。
数打席でも1軍での機会を経験することで、2年目のステップに繋げています。
ドラフトで高卒選手を多く獲得し、3年以内に1軍に送り込む。
こうした積極的な起用により、獲得した選手を1軍戦力として育成しています。
※ 郡拓也捕手は2020年は外野手、2021年は三塁手としても出場
③ 3軍制のソフトバンクと巨人は打席数が少ない
反対にソフトバンクと巨人の高卒捕手の打席数は極端に少なくなっています。
その理由として、ともに「3軍制」をとっていることが理由として考えられます。
3軍制をとることで、日本ハムとは別の形で多くの経験を積ませる機会になっています。
資金力あっての戦略になりますが、出場機会の少ない若手選手にとっては良い環境です。
現在、1軍の正捕手をつとめる甲斐拓也選手も高卒1年目は0打席。
2020年に1軍の中軸としても活躍した栗原陵矢選手も高卒1年目は9打席でした。
両チームの高卒新人捕手が10打席未満の中、例外の選手もわずかにいます。
ソフトバンクの九鬼隆平選手が53打席、巨人の山瀬慎之助選手が116打席に立ちました。
特にソフトバンクで高卒新人捕手がこれだけの打席に立つのは稀です。
2軍ながらもDHで開幕スタメン出場を果たし、チームの期待がわかります。
高卒1年目の2軍打撃成績
打撃成績 | |
---|---|
九鬼隆平 | 21試合 .256 (11/43/53) 3本 9打点 0盗塁 OPS .921 |
山瀬慎之助 | 44試合 .181 (16/98/116) 2本 6打点 2盗塁 OPS .493 |
オリックスも2021年から3軍制をとってチーム強化を図ります。
3軍制をとるチームに関しては、別の視点で見ていく方が良さそうですね。
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高卒捕手で1軍の打席に立った選手は「10選手」
高卒1年目から1軍の打席に立ったのは39選手中10選手。
石橋康太選手と郡拓也選手を除く選手が1軍の主力捕手となっています。
- 坂倉将吾
- 炭谷銀仁朗
- 高城俊人
- 石橋康太
- 中村悠平
- 森友哉
- 田村龍弘
- 清水優心
- 郡拓也
- 石川亮
※ここからは2022年に追記しています。
① 高卒新人捕手の開幕一軍は過去に「3選手」
高卒新人捕手で開幕一軍を果たしたのは平成で2選手。
1989年(平成元年)の谷繁元信選手と2006年(平成18年)の炭谷銀仁朗選手。
令和に入って2022年に松川虎生選手が開幕一軍を達成。
平成~令和とわずか3選手しかいないことからその貴重性がわかります。
選手 | 打撃成績 | |
---|---|---|
1989年 | 谷繁元信 (大洋) |
80試合 .175 (27/154/171) 3本 10打点 0盗塁 OPS .520 |
2006年 | 炭谷銀仁朗 (西武) |
54試合 .181 (25/138/146) 3本 14打点 0盗塁 OPS .483 |
2022年 | 松川虎生 (ロッテ) |
76試合 .173 (32/185/212) 0本 14打点 0盗塁 OPS .445 |
② 高卒新人捕手の開幕スタメンは過去に「3選手」
高卒新人捕手で開幕スタメンを果たした炭谷銀仁朗選手。
2リーグ制以降では谷本稔選手以来51年ぶりの高卒捕手開幕スタメンを達成。
打席数は200打席に達していないですが、理由は1軍に帯同期間が長かったため。
全打席数の80%が1軍なので、2軍出場が主であれば打席数は多かったかも知れません。
そして、2022年に松川虎生選手が16年ぶりに開幕スタメン出場。
過去2選手を大きく凌ぐ212打席に立ち、高卒新人捕手記録を塗り替えました。
開幕高卒新人捕手の打撃成績
選手 | 打撃成績 | |
---|---|---|
1955年 | 谷本稔 (大映) |
87試合 .251 (64/255/277) 0本 33打点 3盗塁 |
2006年 | 炭谷銀仁朗 (西武) |
54試合 .181 (25/138/171) 3本 14打点 0盗塁 |
2022年 | 松川虎生 (ロッテ) |
76試合 .173 (32/185/212) 0本 14打点 0盗塁 |
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今回のまとめ
今回は高卒新人捕手たちの打席数について話を中心に進めてきました。
1軍で主力として活躍している捕手たちは1年目から多くの打席に立っています。
ドラフト上位で期待されている高卒捕手の多くは多くの機会を与えられています。
また、球団によって打席数を与えるところ、3軍で経験を積ませるところ様々です。
多くの打席に立って経験を積んでいくことは良いことです。
ただ、必ずしも1年目から多くを経験しなくても活躍する選手もいます。
とはいえ、1年目から機会を得られるのは球団として期待している証拠。
必須ではないにしても多くの機会が得られる選手である必要はあります。
捕手とい特性上、いきなり試合に出ることは厳しいのも事実。
厳しい世界を生き残って、将来の1軍主力に成長することを期待しています。
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