【 羽月隆太郎選手が3割達成 】1軍定着に必要な3つの課題は「四球・長打力・盗塁」

JEY(ジェイ)

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2019年も先月でウエスタン・リーグの全日程を終えました。
今回は高卒ルーキーながら活躍した羽月隆太郎選手を中心に話を進めていきます。

 

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プロフィール

 

  • 背番号 69
  • 右投げ・左打ち
  • 167cm、70kg
  • 2018年ドラフト7位
  • 神村学園高校
  • 契約金 2500万円・年俸 450万円
  • 高校2年夏の甲子園に出場し2番遊撃手でベスト16
  • 50mは5.7秒の俊足

 

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高卒ルーキーが残した好成績

 

2019年の攻撃面の成績を振り返ります。
打率および盗塁数に関して、高卒新人として十分な成績を残しました。

  • .300 0本 9打点 23盗塁
  • 盗塁数ウエスタンリーグ2位
  • 9月度スカパー!ファーム月間MVP

 

次に2010年以降のドラフト上位の高卒1年目の2軍打撃成績をみていきます。
打席は少ないものの現在活躍している選手と比較しても安打数はまずまずの数字

[ 高卒1年目の2軍打撃成績 ] 

打撃成績
堂林翔太 386打席 74安打 .207 7本塁打
高橋大樹 150打席 28安打 .219 2本塁打
鈴木誠也 364打席 94安打 .281 2本塁打
坂倉将吾 313打席 85安打 .298 1本塁打
中村奨成 231打席 43安打 .231 4本塁打
羽月隆太郎 233打席 65安打 .300 0本塁打

 

① 月別の安打数と盗塁数

 

月別の安打数と盗塁数の推移をグラフ化しました。
見てわかる通り、両数字共に9月に急激に伸びているのがわかります。

特に安打数は9月だけで過去6ヵ月の合計安打数を上回りました。
こうしてみるとシーズン通して活躍した訳では無いようですね。

図1 月間の安打数と盗塁数

 

打率と出塁率を見ても同様に9月に高い数値を記録しました。
ただ、このグラフを見ていて”異常さ”を感じることが少しあります。

ほとんどの月で打率と出塁率の数値がほぼ同じという点です。
多くの打者は「打率よりも出塁率が高くなる」のが一般的です。

図2 月間の打率と出塁率

 

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② 異常に少ない「四球による出塁」

 

そこで出塁に関わる「四球」についてグラフ化してみました。
打率に比較すると四球率の低さが際立っているのがよくわかります。

そして、シーズン7ヵ月のうち4ヵ月は四球の数はゼロ。
四球率を換算すると「2.7%」という極端に低い数字を記録しました。

出塁率を構成する要素のほとんどが安打によるものとなっています。
ここまで四球の少ない選手をみたのは初めてかも知れません。

図3 月間の四球率と打率と出塁率

 

参考にセ・リーグ1軍の四球率ワーストの3人と比べてみます。
ワースト3の選手と比較してもおよそ半分くらいしかありません。

[ セ・リーグ四球率ワースト ]

  1. 木浪聖也 4.6% (390打席)
  2. 近本光司 4.8% (640打席)
  3. 西川龍馬 5.5% (585打席)

※ 300打席以上

 

② 改善したい「長打力」

 

2019年記録した65安打のうち、二塁打が5本、三塁打と本塁打は0本。
つまり、記録した安打の9割以上が「単打」ということになります。

長打力を示す数値を換算すると「.023」とかなり低い数字となっています。
四球率と同様にワースト3の選手と比較してもおよそ半分くらいしかありません

[ セ・リーグの長打力ワースト ]

※ 300打席以上

 

コーチや戦術的なところで「転がせ」という指示もあるのかも知れません。
実際に、グリップも意図的に変則的なスタイルにしているのもわかります。

確かにボールに当てることには適していますが、怖さは全く無い状況です。
このあたりがさきほど説明した四球が極端に少ない理由ともリンクしてきます。

打球方向も三遊間方向に偏っており、ゴロの打球も多く怖さはありません。
投手サイドも失投しても長打は打てないため強気で攻めていけるでしょう

1軍では内野の守備範囲は広がり、球速や変化球の変化量も向上してきます。
今の打撃スタイルで1軍にあがると苦労するだろうなという印象です。

今後は強い打球を打つこと長打を打つことに取り組む必要があります。
1軍でレギュラーになるのであれば大幅に改善しないと厳しいでしょう。

 

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盗塁技術の改善も必要

 

また走塁面でも気になる点があります。
2019年は23盗塁を記録し、ウエスタンリーグ2位という好成績を残しました。

しかし、盗塁死に目を移してみると盗塁死は「18」も記録しています。
盗塁成功率に換算する.561と、走塁を武器にする選手にとって厳しい数字。

ちなみに2019年に代走として活躍した選手の盗塁成功率は以下になります。
数字をみてわかる通り、2人とも.800を超える成功率を記録しています。

1軍にあがった場合にまず期待されるのは走塁面。
2020年シーズンは最低でも.750以上は維持しておきたいところです。

[ 2019年の盗塁成功率 ]

 

① まずは「2020年ウエスタンリーグ盗塁王の獲得」

 

タイプ的に将来1軍定着を目指すには走塁は必要不可欠です。
まずは2020年のウエスタン・リーグ盗塁王を獲得を目指しましょう。

カープのウエスタン・リーグ盗塁王獲得選手は以下のとおりです。
2014年の安部友裕選手を最後に6年間誰も獲得していないのが現状です。

[ ウエスタン・リーグ盗塁王獲得選手 ]

② 赤松真人選手と過ごした貴重な1年目

 

2019年は1軍復帰を目指す赤松真人選手が2軍にいます。
羽月隆太郎選手にとって同じ環境で過ごす時間は貴重な経験になったでしょう。

実際、松真人選手にアドバイスを貰ったとのコメントもありました。

「頭で考えると行動が遅くなるから行ける時は行きなさい」

 

自身の経験を惜しみなくチームメイトに伝えてきた赤松真人選手。
2軍の若手たちにとって良い見本であり、良い先輩だったと思います。

[ 赤松真人選手の走塁成績 ]

  • 通算盗塁成功率 .761 (132/172)
  • 2014年最多代走出場 49
  • 2016年最多代走出場 48

 

 

今回のまとめ

 

今回は高卒ルーキーの羽月隆太郎選手を中心に話を進めてきました。
ドラフト7位という評価も含めると高卒ルーキーとして十分な成績です。

高卒1年目でまだまだ課題が多いものは事実です。
攻撃面では四球率の低さと長打力不足と盗塁死の多さを改善したい点でした。
また期待されている走塁面では他を圧倒するレベルに達する必要があります。

2019年シーズンは周東佑京選手や増田大輝選手など代走の活躍が目立ちました。
羽月隆太郎選手には是非ともそのポジションを目指して欲しいと思います。

高卒1年目としては十分な活躍をみせた羽月隆太郎選手。
2020シーズンは1軍に上がるための飛躍の1年になることを期待しています。

 

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