【打てない守りで貢献】丸佳浩選手が抜けた損失を補うために必要な「守備面の課題」

JEY(ジェイ)

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ここまで2回にわたって、丸選手移籍の穴埋めポイントを振り返りました。
前回で失点が多いことがわかりましたが守備面について話を進めていきます。

 

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2017年セ・リーグ球団別の守備成績

 

2018年の守備成績を振り返ってみます。

守備率 守備機会 刺殺 補殺 失策 併殺 捕逸
中日 .991 5488 3788 1648 52 122 10
巨人 .988 5429 3837 1526 66 112 7
DeNA .987 5346 3807 1470 69 126 7
カープ .985 5485 3846 1556 83 128 7
ヤクルト .984 5475 3823 1564 88 114 6
阪神 .984 5406 3828 1489 89 111 9

 

各球団のチーム守備率は.980台を各球団が記録しています。
その中で中日だけが12球団で唯一の.990以上の好成績を残しています。

カープの守備率を見てみると、セ・リーグで4位に位置しています。
失策数が多いですが、中日以外の4球団より守備機会が多いことも影響しています。

また、併殺数も多いですが、こちらも同様で、率で言えばDeNAよりも低いです。
2017年に関してはリーグ平均をやや下回る物足りない守備成績でした。

 

リーグ3連覇した2016~2018年の守備成績

 

ここからは、3連覇した2016~2018年の守備成績を振り返ります。

守備率 守備機会 刺殺 補殺 失策 併殺 捕逸
2016 .988 5562 3852 1643 67 122 7
2017 .987 5506 3872 1563 71 118 5
2018 .985 5485 3846 1556 83 128 7

 

2016年と2018年を比較すると、守備率は.003しか変わりません。
2018年は守備機会が77も減ったにも関わらず、失策が16も増加しました。

3年間の失策数と守備機会は以下の通りです。

  • 2016 守備機会 5562 失策 67
  • 2017 守備機会 5506 失策 71
  • 2018 守備機会 5485 失策 83

傾向としては、徐々に守備機会は減り、徐々に失策が増えています
この辺りも総失点を増やさないための大事な改善ポイントになってきます。

 

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カープの主力選手の失策数

 

2018年に主力として出場した選手の守備成績を見てみます。

試合 失策 守備位置(失策) 守備率 守備位置(失策) 守備率
西川龍馬 107 17 サード(17) .907
安部友裕 72 8 ファースト(2) .980 サード(6) .956
田中広輔 143 7 ショート(7) .989
松山竜平 124 6 ファースト(5) .990 外野(1) .984
鈴木誠也 134 4 外野(4) .979
會澤翼 103 4 捕手(4) .994
バティスタ 99 4 ファースト(3) .991 外野(1) .973
菊池涼介 139 3 セカンド(3) .996
丸佳浩 123 1 外野(1) .995
野間峻祥 119 1 外野(1) .995

 

やはり赤字で示したレギュラークラスの選手は高い守備率を残しました。
ピークを過ぎてきたとは言え、菊池涼介選手の失策3は群を抜いています

田中広輔選手も過去2年(順に失策18・16)から2018年は失策7と大幅に改善しました。
プロ入り初のゴールデングラブ賞もこの辺りの改善が大きかったと思われます。

會澤翼選手も2016年の失策7、2017年の8から、約半数の失策4まで減らしています
出場試合数が2016年から伸びてきている中での失策数が減少となっています。

外野手に関しては、あまりエラーが出ないので守備率の差が生まれにくいです。
どちらかというと守備範囲や肩の強さなどで差が生まれやすい傾向があります。

 

① 大きな課題だった西川龍馬選手の「三塁守備」

 

西川龍馬選手は一塁、二塁でも出場しているが、全ての失策が三塁でのもの。
リーグ最多の17失策を記録し、チーム全失策数の約20%を占めています。
一塁送球に課題があり、大事なシーズン終盤に三塁を守る機会は無くなりました。

試合 刺殺 補殺 失策 併殺 守備率
一塁手 3 26 0 0 1 1.000
二塁手 1 1 0 0 0 1.000
三塁手 86 47 119 17 10 .907

 

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② 外野手の守備は「プロ野球平均レベル」

 

外野手に話を移すと丸佳浩選手のケガの影響が大きかった印象です。
2016年、2017年とリーグトップクラスの守備貢献度を示した丸佳浩選手。

しかし、2018年には大幅に守備貢献度は低下し、平均値を下回っています
特に過去2年間は12球団トップを誇った守備範囲でしたが大幅に縮小しました。

同様に、ライトの鈴木誠也選手も大幅に守備貢献度が低下しました。
ケガ前の2016年はライト部門で12球団トップの守備貢献度を残しています。
しかし、ケガ以降は守備範囲が年々減少し、2018年はプロ平均値を下回りました

そして、最後にレフトの野間峻祥選手。
下の関連記事でも述べていますが、あまり守備貢献度は高くありません。
確かにマズイ守備はなく、足も速く、無難に外野を守る選手で間違いありません。

ただ、イメージほど守備範囲は広くなく、2016~2018年はプロ平均値レベルを記録。
センターやライトでも同じ傾向を示し、外野手として突出した守備力ではありません。

他の選手に関しては守備機会が少なく、参考程度しかならないので割愛します。
以上より、2018年のカープの外野守備は12球団でも平均的なレベルだったと言えます。

 

③ 西川龍馬選手の「センターへのコンバートが鍵」

 

前述したように、西川龍馬選手の三塁守備には課題があります。
そこで打撃を生かすために首脳陣が動いたのは、内野と外野との併用。

最近の練習試合やオープン戦ではセンターのスタメンに起用されています。
打順も3番を打つなど、首脳陣の期待がヒシヒシと伝わってきます。

もし、このコンバートが上手くいくようであれば打線は厚くなるでしょう。
丸佳浩選手の移籍による打撃損失分を大きく埋められる存在になります。

野間峻祥選手には劣るかもしれないですが、打球に慣れる時間も必要です。
特にノック練習とは違い、試合では不規則な慣れない打球が飛んできます。
少しずつでも慣れていき、無難にこなしてくれれば今シーズンは十分です。

 

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守備能力の総合的データでも年々低下傾向

 

より専門的な複雑なデータから、チーム全体の守備貢献度などを見ていきます。
2016~2018年を順を追ってみていくと、2018年では全項目で低下しています。

2016年と2017年との間に大きな差はないですが、2018年との間では大きな差があります。
チーム全体の守備貢献度を12球団で見ると、2位、3位、8位と年々順位を下げています

大きく低下したポジションを挙げると、一塁、三塁、センター、ライト
丸佳浩選手や鈴木誠也選手の守備範囲の低下、西川龍馬選手の失策数が影響しました。
また、本職でない松山竜平選手やサビエル・バティスタ選手が一塁を守ったことも要因に。

捕手陣においても、盗塁阻止率の低下、捕逸の増加など貢献度が下がっています。
この理由として、石原慶幸選手の貢献度が年々下がってきたことが影響しました。

 

今回のまとめ

 

今回は守備にクローズアップして整理しました。
新たにわかったことも、改めてわかったこともあったように思います。

失点を減らすためには、しっかり守れる野手陣で挑むことも必要です。
2019年シーズンは守備面でも野手陣が貢献してくれることを期待しています。

 

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