【 “プリンス”堂林翔太の現在地 】現役ドラフトやトレードの噂を振り払う活躍をもう1度

JEY(ジェイ)

JEY(ジェイ)

 

プロ入り以来、「将来の主軸」として期待されていた堂林翔太選手。
今回は期待されながらも活躍できていない現状と今後について話を進めていきます。

 

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1軍デビュー後の試合数・打数・安打

 

1軍デビューした2012年以降の試合数・打数・安打をグラフ化しました。
見ての通りですが、2015年から一気にそれらの数字を落としています
そして2019年にはいずれの数字もデビュー以来最も少ない記録となりました。

キャンプ時から三塁への復帰を掲げて挑んだ2019年シーズン。
途中でケガによる離脱などもありましたが、全体的に不本意な1年を送りました。
かつての主軸候補もここ数年は控えに甘んじており、2軍にいることも多い現状。

図1 2013年以降の試合数・打数・安打

 

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1軍デビュー後の安打の割合

 

次に、安打の種類で分け、その割合をグラフ化しました。
最も長打の多いのはデビューした2013年で、最も少ないのが2019年。
特にここ2年間にいたっては本塁打が1本も出ていない厳しい状況です。
2019年は安打数自体が少なかったものの、そのほとんどが単打。
三塁打が1本あっただけで、長打を打つことが難しくなった状況です。

かつてシーズン14本塁打を放った打者とは思えない現状です。
全ての数字において、デビューした2013年がキャリアハイでした。
デビュー当初、期待された成績は残せずに現在に至っています。

図2 2013年以降の安打種類割合

 

増加する傾向にあるゴロ割合

 

2017年あたりから、年々ゴロを打つ割合が増加しています。
もちろんゴロでも野手の間を抜けて安打になるのなら問題はありません。
しかし、2019年はゴロになった打球の大半がアウトになっています。

実際に内野の頭を超える打球は少なく、多くが勢いのないゴロに。
そうなると当然ながら、野手の間を抜けずアウトになってしまいます。
もともとスイング自体に課題があるのでそういった傾向はありました。
しかし、2019年は顕著できれいな安打はほとんどありませんでした。

以前のようなセンターへの大きな飛球は影を潜めた2019年。
力のない打球が内野に転がる姿ばかりで苦しいシーズンを送りました。

図3 ゴロ割合とゴロアウト割合

 

不発に終わった2019年の「三塁の再挑戦」

 

自主トレから自ら志願した古巣である三塁の再挑戦。
長野久義選手の獲得も決まり、覚悟を決めた直訴だったと思います。

「自分で1回辞めたので“もう1回やりたい”と伝えるのはありかな…と。可能性と幅を広げる意味で、やりたい気持ちが強い」

広島・堂林、三塁再挑戦!首脳陣に直訴へ「やりたい気持ち強い」 / スポニチアネックス

 

しかし三塁ではほとんど出場機会を得られず、不発に終わりました。

  • 三塁守備成績 3試合 13イニング 1失策 守備率 .800

2017年の安部友裕選手が規定打席に到達した三塁。
それ以外はレギュラー不在となっており、結果次第ではレギュラーに。
しかし、思うように打てず出場機会を確保できなかったのが現状です。

これまで外野を含め様々なポジションにチャレンジ。
2019年の秋季キャンプでも二塁に挑戦する姿も報道されました。
ただ、菊池涼介選手の残留が決まり、二塁コンバートもほぼ白紙に。

 

レギュラー獲得なるか2020年シーズン

 

再び、三塁、一塁、外野での出場機会を目指すことになります。
とはいえ、一塁には松山竜平選手、レフトには主力選手が飽和状態。
結局はレギュラーを目指すのであれば三塁が最有力となってきます。

もちろん、すでにレギュラーを諦めたなら話は別にはなります。
もう代打で良い、控えで良いというのであればそこを目指すべき。

ただ、もう1度レギュラーとして活躍する姿を期待する声も多いです。
年齢的に考えて、まだ諦める年齢ではないので頑張って欲しいところ。

本人はレギュラーへの思いについて以下のようにコメントしています。
まだ気持ちも切れていないようですし、諦めず頑張ってもらいたいです。

僕は自分の実力で一回も試合に出続けていないので、そこはやっぱりずっと思っていることです。144試合出たときも(当時の)野村監督にずっと我慢して使ってもらっていただけ。そういうのを抜きで、実力で試合に出続けたいとずっと思っています。かけ離れている現状ですけれど、そこは変わらないところです。

今季プロ最少28試合出場 苦しい1年の広島・堂林が胸中告白「忘れられないファンの涙」/ 東スポWeb

 

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2019年のポジション別の守備機会

 

改めて、堂林選手が守るポジションの2019年の守備機会を振り返ります。
一塁を主に守ったのはサビエル・バティスタ選手、レフトは西川龍馬選手。
そして、再挑戦をした三塁を主に守ったのは安部友裕選手でした。

図4 2019年のポジション守備機会(イニング)

 

ただ、西川龍馬選手はシーズン途中からセンターにコンバート。
最も多く一塁を守ったサビエル・バティスタ選手はいまだ契約は不明。

現状、一塁とレフトが固定されていないポジションとなります。
ただ、松山竜平選手が秋季キャンプから一塁に本格的に取り組んでいます。
そして、レフトは長野久義選手、野間峻祥選手ら主力組の激戦区の状態。

さらに新外国人選手としてホセ・ピレラ選手もここに加入。
アメリカでは主に二塁とレフトを守り、内外野を守るオールラウンダー。
三塁守備の経験もあり、三塁とレフトでの併用が考えられています。

上記の選手たちとどう差別化できるかが勝負所になってきます。
いずれにしても、打てない限りは厳しい状況に変わりありません。

 

追記 : 「一塁手」にて6年ぶりの開幕スタメン出場を果たす

広島堂林6年ぶり開幕先発へ「揃った」新井氏の激励 / 日刊スポーツ

 

「現役ドラフト」や「トレード」の声も

 

2019年1月のNPB(日本野球機構)と選手会の話し合いで出たのが「現役ドラフト」
現役ドラフトとは出場機会に恵まれない選手の移籍を活発にさせる制度
各球団で実力がありながらも控えや2軍に甘んじている選手は数名います。
そういった選手たちに「移籍する機会を与えて救済しよう」というのが目的です。

カープの場合、この話が出る度に堂林選手の名前が挙がります。
確かに近年のカープは主力組が強力に固定され出場機会に恵まれませんでした。
とはいえ、他の選手に比べれば、多くの出場機会を与えられてきた選手。
単に不運で試合に出れないというよりは、チャンスを生かせなかった結果と言えます。
よく言われている「飼い殺し」という状況とは少し違うように思います。

もし他球団に移籍したとしても今と同じような状況になることも想像できます。
結局はカープで結果を出すしかなく、使える選手を証明するのがまず先にはなります。

とはいえ、現役ドラフト自体も今すぐに始まることでもありません。
何を基準に制度を利用できるようにするかを決めるのは難しいところです。
また、実際に移籍しても状況が変わらないのではないかという声もあります。

同様にトレードという話もよく耳にします。
ただ、現状を考えると、進んで手を挙げる球団があるかというと厳しい状況です。
よく話に挙がる地元の中日でさえ、中日球団からそういった話があった訳では無く。
あくまでもファンの中で出てくる話で、現実的に成立するかというと無さそうです。

いずれにせよ、控えであってもある程度の結果を残さない現実的ではありません。
元ソフトバンクの福田秀平選手のように控えでも高く評価される選手もいます。
まずは他球団が欲しがるような活躍がカープで出来てからの話になってきます。

 

追記 : 現役ドラフトは2020年からスタートと発表

現役ドラフト、今季導入にメド…8月開催、1球団8人 / スポーツ報知

 

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「後輩」鈴木誠也選手に師事する積極的な姿も

 

2020年は後輩の鈴木誠也選手の自主トレに参加。
後輩からでも何か吸収しようとする積極的な姿も見せています。

「誠也という球界でもナンバーワンの打者の近くでやれるということなので、何かひとつでも吸収して、キャンプに臨んでいけたらと思っています。」「すごく引き出しが多いですし、後輩ですけど、何かを学んで自分のものにできたら。」

広島堂林志願のチーム野間加入、後輩誠也に打撃学ぶ / 日刊スポーツ

 

振り返っても、現役選手では前田智徳選手、新井貴浩選手など多くの先輩を師事。
また、野村謙二郎監督や緒方孝市監督などからもマンツーマン指導を受けてきました。
しかしながら、それらのアドバイスも結果に上手く繋がらず、現状に至っています。

メカニクス的に見れば、凡打になりやすい理由ははっきりしています
また、メカニクス以外の積極性の面でも結果が出ない原因があったりします。
ここでは詳しく解説しませんが、10年間見続けてきても前者はほとんど変化がありません。
気付いていないのか、気付いても修正するのが難しいのかは本人に聞かないとわかりません。

そういった中でどのようにして結果を出していくのか、あるいは大きく変化するのか。
どちらにしても、やるべきことは絞られているのであとは実行していくだけです。

ただ、2019年の改善策はどちらにしても「結果の出ないを選択」だったように思います。
鯉のプリンスも30歳を迎え、プロ野球選手として正念場に立たされています。

 

今回のまとめ

 

今回は堂林翔太選手の現状について話を進めてきました。
首脳陣やファンの期待も大きく、いつかは覚醒をとの声も多いです。

早くから出場機会に恵まれ、多くの試合に出場してきました。
しかし期待とは裏腹に、1軍での結果を出せず、2軍生活も多くなりました。

本人が1番くやしい思いをしているだろうとは思います。
なかなかメカニクス的な修正が出来ず、簡単に打ち取られる姿が目立ちます。

今後どのようなスタイルでプロ野球で活躍していくのか。
「あの堂林もついに覚醒」という声を聞ける日が来るよう期待しています。

 

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