2019年シーズンに国内FA権を取得した會澤翼選手。
他球団の動向を見ながら、各球団と會澤選手の関係性を検討していきます。
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国内FA権を取得
5月7日に會澤翼選手が国内FA権を取得しました。
本人はまだ明言を控えていますが、その去就が注目されてます。
近年、プロ野球界は打撃力のある捕手が不足してきました。
もしFA宣言を行えば複数球団が獲得に動くことが予想されます。
① 獲得に興味を示している球団は巨人、楽天、DeNA
マスコミで名前が挙がっているのは巨人、楽天、DeNA。
確かに、地元が茨木県と考えると、関東の球団を希望するのは予想できます。
巨人は今季も捕手の併用制を取りながら、大城卓三選手をファーストで起用。
會澤翼選手を獲得出来れば、大城卓三選手のコンバートの可能性もでてきます。
また、楽天は石井一久氏のGM入閣以来、積極的に新たな人材を補強しています。
2018年オフには松山竜平選手の獲得に乗り出し、可能性は十分にあり得る。
特に春先には捕手陣で誰も盗塁を刺すことができない時期がありました。
チーム初の盗塁阻止を記録したのはベンチに捕手がいなくなり急遽出場した銀次選手。
2009年までは捕手登録だった銀次選手ですが捕手としては初出場。
10年のブランクのある銀次選手が4イニングも守るというハプニングもありました。
DeNAも2018年に伊藤光選手をトレードで獲得するも決定打にはなっていません。
嶺井博希選手、戸柱恭孝選手との併用は続き、獲得に乗り出すことも予想できます。
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12球団の捕手の守備力
ひとまず、12球団の捕手の守備力から考えていきます。
ソフトバンクが群を抜いており、次いで阪神とオリックスが並びました。
そして、會澤翼選手の獲得に動きそうな巨人、楽天、DeNA。
3チームともに守備力で上位には入っていないのが現状のようです。
ただ、カープも守備力に関しては若干プラス程度で突出してはいません。
図1 各球団の捕手守備力
※ 以下、全てのデータは6/27終了時点の成績
① 守備機会250イニング以上の捕手の守備力
次に、守備機会250イニング以上の捕手をピックアップしてみます。
ソフトバンクはやはり甲斐拓也選手が圧倒的な存在感を示しています。
梅野隆太郎選手や若月健矢選手も守備面での貢献が高くなっています。
巨人の小林誠司選手、DeNAの伊藤光選手、楽天の嶋基宏選手の3選手。
小林誠司選手はまずまずですが、伊藤光選手と嶋基宏選手はやや厳しい。
ただ、會澤翼選手の守備力も相対的には良いとは言えない位置にいます。
図2 250イニング以上の捕手の守備力
② 12球団の捕手たちの盗塁阻止率
一部の選手のみであるが、盗塁阻止率も検討してみます。
小林誠司選手が群を抜いて高い盗塁阻止率を記録していました。
伊藤光選手、嶋基宏選手ともに低く、嶋基宏選手は.100以下に。
ただ、會澤翼選手も盗塁阻止は.200程度と良い数字ではありません。
盗塁阻止率は投手との合わせ技で、単純に捕手の能力とは言えません。
とはいえ、送球の良い捕手の指標としては参考にしても良いでしょう。
図3 主な捕手の盗塁阻止率
③ 巨人、DeNA、楽天が獲得した時の守備力の変化
3球団の主力捕手をピックアップして検討します。
巨人が獲得した場合、小林誠司選手の出場機会は減ることが予想されます。
そうなった場合、捕手の守備力は現在より低下する可能性が考えられます。
DeNAと楽天が獲得した場合、大きな変化はないのかも知れません。
ただ、楽天は若手が多く、彼らの成長次第といったところになります。
元々、會澤翼選手の守備力の数字が正直なところ高いとは言えません。
そのため、守備面でみれば獲得による「劇的な変化」は無さそうです。
図4 3球団の主力捕手の守備力
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12球団の捕手の打撃力
続いて、12球団の捕手の打撃力から考えていきます。
西武が群を抜いており、阪神とカープがほぼ並んでいます。
そして、巨人、楽天、DeNA。
いずれのチームも捕手の打撃力があるとは言えない状況にあります。
特に楽天はワースト2位と打撃面で苦労している様子がわかります。
図5 250イニング以上の捕手の打撃力
① 100打席以上の捕手たちの打撃成績
次に、100打席以上の選手をピックアップして考えてみます。
首位打者争いをしている森友哉選手の圧倒的な打撃力が目立ちます。
また、會澤翼選手もそれに引けを取らない打撃力をみせています。
阪神の梅野隆太郎選手も春先は高打率をキープし、打撃面で大きく貢献。
巨人ではやはり大城卓三選手の打撃力が目立ちます。
ただ、ファーストや外野での出場が多く、捕手での出場は僅か。
将来的に捕手に専念するかどうかで巨人の捕手の打撃力に影響します。
小林誠司選手、伊藤光選手、嶋基宏選手の3選手。
いずれも打撃面では物足りない内容であることは否めません。
図6 100打席以上の捕手の打撃力
② 巨人、DeNA、楽天が獲得した時の打撃力の変化
守備と同様に、3球団の主力捕手をピックアップして検討します。
短期的に見れば會澤翼選手の獲得により巨人は大幅な改善が図れます。
そうなると大城卓三選手が野手に専念する可能性も高くなるでしょう。
ただ、伸びしろのある大城卓三選手をコンバートすることが正解かは微妙です。
楽天とDeNAは、會澤翼選手の獲得することで打撃面で大幅に改善します。
特に両チームとも捕手の長打力が低く、中軸から下位打線の強化が図れます。
図7 3球団の主力捕手の打撃力
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最も獲得したい球団は「巨人」
3球団の中で最も會澤翼選手を獲得したいのは巨人でしょう。
単純に會澤翼選手を獲得して、チームを補強するだけではありません。
チームを戦力を補強しつつ、ライバルチームの戦力を削ることが可能です。
丸佳浩選手を獲得した時と同様に、チームにとって「Wの効果」が生まれます。
また、リーダーであるが故にカープの内部事情も聞き出すこともできます。
かつてもセ・リーグ球団のベテランを獲得することで情報収集を行ってきました。
様々な意味で巨人にとっては是非とも獲得したい選手でしょう。
もちろん、DeNAにとっても、同様の意味合いがあるのも事実です。
① 最も懸念される「出身地」
過去のカープのFA移籍をみても気がかりな点があります。
一部を除き、多くの選手が出身地近くの球団へ移籍しています。
カープでFA宣言をした選手は過去に10名。
そのうち、海外移籍の選手が3名、交渉なしが1名、国内移籍が6名。
移籍先 | 出身地 | |
---|---|---|
川口和久 | 巨人 | 鳥取県 (鳥取城北高 – デュプロ) |
江藤智 | 巨人 | 東京都 (関東高) |
金本智憲 | 阪神 | 広島県 (広陵高 – 東北福祉大) |
新井貴浩 | 阪神 | 広島県 (県立広島工業高 – 駒沢大学) |
大竹寛 | 巨人 | 東京都 (浦和学院高) |
丸佳浩 | 巨人 | 千葉県 (千葉経済大学付属高) |
巨人に移籍した選手の多くが関東地区に関係のある選手
子供の頃から憧れた球団でプレーしたい気持ちもあるでしょう。
川口和久選手に関しては鳥取県出身ですが、奥さんは東京都出身。
のちに巨人移籍には義理の両親のことが関係したと報告しています。
そして、會澤翼選手も茨木県出身と関東出身の選手。
さらに奥さんは水戸短大付属高校の時の同級生のようです。
地元に近い球団に移籍したい気持ちがあってもおかしくないでしょう。
家族のこと、引退後のことを考えると、大きな要素ではあります。
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今回のまとめ
今回は国内FA権を取得した會澤翼選手ついて述べてきました。
カープにとっては流出してはならない選手なのは間違いありません。
ただ、それだけ良い選手を他球団が放っておかないのも事実。
宣言した場合、複数の球団が獲得に名乗り出るのが予想されます。
丸選手に続き、チームの柱を失う訳にはいきません。
中堅選手の多いカープ、主力の移籍の可能性はこれからも続きます。
球団にも残留してくれるよう全力で交渉して欲しい。
カープの會澤翼選手として2020年以降も活躍することを期待しています。
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