前回、前々回とストレートの平均球速について取り上げました。
今回はカープの投手陣に絞って平均球速にスポットを当てて検討していきます。
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2014年以降のカープの平均球速最速投手
まずは2014年以降の平均球速最速投手をグラフ化しました。
やはり外国人投手が延べ5人中の4人を占めています。
2017年からは150km/hを超えてきており、高速化したのがわかります。
しばらくの間はヘロニモ・フランスア投手がこの位置を維持しそうです。
図1 平均球速最速投手 (2014~)
① 日本人の平均球速最速投手は中村恭平投手
次に日本人の平均球速最速投手をピックアップしました。
2019年に覚醒した中村恭平投手の平均球速が群を抜いています。
3年連続1位の大瀬良大地投手は2019年も2位に位置。
現時点では中村恭平投手の独壇場と言って良いでしょう。
図2 平均球速最速日本人投手 (2014~)
② 2019年のストレート投球割合
ストレートの投球割合を見ていくと、比較的きれいな傾向です。
平均球速の速いヘロニモ・フランスア投手はストレートを多く投げています。
反対に、平均球速の遅い野村祐輔投手はストレートをあまり投げていません。
ただ、さほど速くなくてもストレートを多投している投手もいました。
図3 ストレートの平均球速と投球割合
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ヘロニモ・フランスア投手の2019年の変化
2019年に目立つ変化を見せているのがヘロニモ・フランスア投手。
平均球速は2018年と同程度ですが、投球割合は大きく増加しています。
2018年は有効だったスライダーが2019年になると全く機能していません。
そのぶん、ストレートの投球割合も増えているのだろうと思われます。
しかし、そのストレートも2018年の威力は無く、打たれるケースも度々。
打者もストレートに絞りやすい状況にあり、球速があっても痛打されています。
図4 フランスア投手の平均球速と投球割合
① 球界全体の高速化と変化球の多様化
現代のプロ野球界はストレートが高速化し、変化球は多様化しています。
160km/hを投げる投手も複数人となり、140km/hを切る投手も少なくなりました。
打者たちは高速化した球種に慣れ、一定量の球速がないと厳しい時代に。
もちろん遅いストレートと変化球を駆使し、先発で活躍する石川雅規投手もいます。
[ 石川雅規投手のストレート ]
平均球速 | 投球割合 | |
---|---|---|
2014 | 132.6 | 32.7 |
2015 | 132.3 | 23.9 |
2016 | 132.8 | 15.3 |
2017 | 134.3 | 19.8 |
2018 | 133.8 | 24.8 |
2019 | 132.8 | 15.7 |
② 単なる「球速」から「球質」を操る時代へ
また、近年は単純な球速だけでなく、その質の部分もクローズアップされています。
同じ球速でも打ちやすい投手とそうでない投手がいるように単純なものでもありません。
投手それぞれに「球質の癖」があり、きれいな回転のストレートは存在しません。
現代ではそれらを分析し、課題を見つけることで球質のレベルアップを図っています。
これからもどんな人でもわかりやすい球速が注目されるのは間違いないでしょう。
しかし、その裏のある「質」「癖」のようなものを操る投球技術も必要となってきます。
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近年では従来注目されてきた投手の球速のみならず球質も注目されています。個人レベルで計測できる環境になってきたのでそのツールついて話を進めていきます。目次を押すと好きな所に移動できます&nb...
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今回のまとめ
今回はカープ投手のストレート平均球速を中心に述べてきました。
やはり外国人投手が平均球速チーム最速投手に並んでいます。
そのな中、30歳を迎えた中村恭平投手の急成長が目立ちました。
日本人投手の高速化も進んできた近年ですが、カープも同様に高速化しています。
遠藤淳志投手などもっと球速の出る投手もおり、数年後はさらに更新されるでしょう。
ただし、ストレートも含め、どの球種も球速のみが全てではないのは確かです。
トレーニングやフォーム分析、球質の分析などアプローチも進んでいます。
球速と共に質の良いストレートを投げ込むカープ投手陣になることを期待しています。
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