今回は長野久義選手にスポットを当てたいと思います。
長野選手の春先の成績を振り返り、データとともに話を進めます。
2014年以降のシーズン序盤の打率を振り返る
まずは実際に春先に調子が悪いのかを2014年以降のデータを振り返ります。
3-4月、5月、6月と月ごとに分けて、それぞれの打率を中心にみていきます。
① 2014年以降の3-4月の打撃成績
まずは2014年以降の3-4月の打撃成績を振り返ります。
打率が.280以上を記録した年は赤い文字で表示しています。
3-4月の打撃成績 | |
---|---|
2014 | 109打数 31安打 3HR .284 |
2015 | 78打数 15安打 0HR .192 |
2016 | 123打数 37安打 1HR .301 |
2017 | 62打数 11安打 0HR .177 |
2018 | 46打数 11安打 1HR .239 |
3-4月通算打率 | .251 (418打数 105安打) |
2014年と2016年は.280以上の打率を記録。
春先は調子が良くないと言われていますが、必ずそうとも言えません。
とはいえ、5年間の通算打率が.251なので良くもないのも事実です。
極端に良い年と悪い年があり、悪い年の印象が強いのかも知れません。
② 2014年以降の5月の打撃成績
次に5月のデータを振り返っていきます。
カッコ内は前月比較でのプラスマイナスを表示しています。
5月の打撃成績 | 前年比較 | |
---|---|---|
2014 | 95打数 22安打 1HR .232 | -.065 |
2015 | 60打数 15安打 3HR .250 | +.058 |
2016 | 89打数 21安打 0HR .236 | -.047 |
2017 | 70打数 19安打 1HR .271 | +.094 |
2018 | 88打数 25安打 3HR .284 | +.045 |
5月通算打率 | .254 (402打数102安打) |
5月を見てみると、2018年以外は打率はあまり高くありません。
ただし、前年比較で見た場合、5年のうち3年は上昇しています。
③ 2014年以降の6月の打撃成績
続いて6月のデータを振り返ります。
6月の打撃成績 | 前月比較 | |
---|---|---|
2014 | 56打数 20安打 1HR .357 | +.073 |
2015 | 51打数 14安打 3HR .275 | +.004 |
2016 | 93打数 30安打 1HR .323 | +.047 |
2017 | 77打数 26安打 2HR .346 | +.096 |
2018 | 58打数 17安打 0HR .293 | +.061 |
6月通算打率 | .319 (335打数107安打) |
6月をみてみるとほとんどの年で打率が.300を超えています。
前月比較で見ても、すべての年で+に転じていることがわかります。
月間通算打率に関しても、.251 ➡ .254 ➡ .319と6月に急激に上昇しています。
④ 各年の月別打率の推移
年度ごとに月別打率の推移をみていきます。
月別打率の推移 | |
---|---|
2014 | .284 ➟ .233 (-) ➟ .357 (+) |
2015 | .192 ➟ .250 (+) ➟ .275 (+) |
2016 | .301 ➟ .236 (-) ➟ .323 (+) |
2017 | .177 ➟ .271 (+) ➟ .346 (+) |
2018 | .239 ➟ .284 (+) ➟ .293 (+) |
通算打率推移 | .251 ➟ .254 (+) ➟ .319 (+) |
3-4月に高打率を記録した2014年と2016年を除き、打率は上昇傾向です。
こうしてみると、月を追うごとに調子が上がってくることがわかります。
この辺りが「長野久義選手はスロースターター」と言われる理由でしょう。
特に6月には一気に打率が上昇してくることは顕著な傾向です。
[ スポンサーリンク ]
⑤ 2018年の3-4月は低打率でも「四球」で貢献
ここでは割愛しますが、より専門的なデータをみていきます。
やはり、2014年と2016年に関しては、得点・勝利貢献度が高くなっています。
面白いのが2018年ですが、.238と低打率の割に「得点・勝利貢献度」は高いです。
その理由として考えられるのが、高い「四球割合」にあります。
58打席と打席数こそ少ないですが、12個の四球を選びました。
率で換算すると.206となり、5打席に1度は四球を選んだ形となります。
つまりは、打てなかった時も四球を選ぶことでチームに貢献しました。
「打てない時は何とか出塁する」ということの大事さがわかる。
[ スポンサーリンク ]
2011年以降のオープン戦の打撃成績
オープン戦の打撃成績もみていきます。
オープン戦の打撃成績 | |
---|---|
2011 | 40打数 11安打 1HR .350 |
2012 | 44打数 10安打 0HR .227 |
2013 | 6打数 1安打 1HR .167 |
2014 | 55打数 21安打 0HR .382 |
2015 | 9打数 1安打 0HR .111 |
2016 | 44打数 14安打 1HR .318 |
2017 | 53打数 11安打 1HR .208 |
2018 | 45打数 10安打 2HR .222 |
2019 | 24打数 3安打 0HR .125 |
2011、2014、2016年には打率.300以上を記録。
ただ、他の年に関しては.220以下の低打率を記録しました。
オープン戦に関しても、良い時と悪い時があります。
「春先に弱い」はオープン戦も含めての「印象」なのかも知れません。
ここまでわかったこと
ここまでわかったことをまとめます。
- 3-4月も打っている年はあるが、平均的には打ててない
- 5月に関してはやや上昇するものの、大きな変化はない
- 6月では急激に打率が上昇し、ほとんどの年で.300越え
- 月間通算打率は月を追うごとに上昇
- 2018年の3-4月は低打率だが、四球を選びチームに貢献
- オープン戦においても打ててるとは言えない
[ 2019年6月の打撃成績の記事 ]
【 いまだ打撃不振が続く長野久義選手 】毎年調子が上がる6月の打撃と2019年の違いについて
なかなか本調子にならない長野久義選手。好成績を記録していた過去の6月と比較しながら検討していきます。 [ スポンサーリンク ] 6月になってもあがらない打撃 ...
今回のまとめ
今回は長野久義選手の「スロースターター」について検討しました。
ここまででわかった通り、春先はあまり活躍していない様子がわかります。
しかし、6月に入ると一気に打率が急上昇して.300を超えています。
移籍1年目ですぐに結果が欲しい所ですが、少し我慢が必要かも知れません。
正直なところ、少し長野久義選手へのファンの期待が減っている気がします。
カープ入団時ほどの応援は見られず、期待外れな印象を受けているのでしょう。
しかし、年間通して成績を残してきた選手のため短期間での評価は難しいです。
また、代打に関してもあまりその適正はないようにも思えます。
出場機会は限られてくると思うが、シーズンを通しての活躍を見守りましょう。
移籍1年目で大変ですが、何かの形でチームに貢献してくれることを期待しています。
他にも記事を読みたい
※ 文章・画像の転載はご遠慮ください