飛躍の1年となった2019年の西川龍馬選手。
そこでここまでの打撃成績を振り返りながら好調の理由を検討していきます。
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好調な8月の西川龍馬選手
前兆は7月から見られていましたが、8月はより打撃成績が向上しました。
特に「出塁率+長打率」に関しては2019年シーズンで最も良い成績を残している。
その背景として、他の月に比べて出塁率が向上したことが底上げとなっている。
夏以降をみれば1番打者としては十分と言える打撃を見せていると言えるでしょう。
図1 2019年の月別打撃成績
① 全ての数字が鈴木誠也選手に次ぐ好成績
規定打席に到達している野手の8月の成績と比較していきます。
鈴木誠也選手は圧倒的な差をつけてリーグトップの成績を記録しました。
ただ、西川龍馬選手も全ての率でチーム2位の好成績を残しました。
8月の西川龍馬選手がチームの中心として機能したことがわかります。
図2 チーム主力打者の8月の打撃成績
② 8月に入って大きく改善した「四球」
8月に入って大きく伸ばしているのが四球率です。
元々は四球の少ないタイプの打者ですが、それを大きく改善しました。
出塁率が8月に良くなった理由として、四球率の伸びの影響があります。
確かに「なんでもかんでも振りにいく姿」は以前よりも減ってきています。
図3 2019年の月別四球率
③ センターを中心に強い打球が増加
そして、打撃内容も大きく変化している。
ライナー性の打球の割合が増え、弱い打球が減少しています。
野手の間を抜く、よりヒットに繋がりやすい打撃ができています。
図4 2019年の月別ライナー打球・弱い打球
さらに、センター方向の打球が大きく増加し、レフト方向の打球が減っています。
不調な時期はちょこんと当てて三遊間に転がし、一塁に走る姿が多くみられました。
しかし、今はセンター方向を中心にしっかりとスイングできています。
長打が生まれ始めたことで本人の中でも少し変わったものがあるかも知れません。
図5 2019年の月別打球方向
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上手くフィットした「1番としての適性」
1番打者としての適性あったのでしょうか。
田中広輔選手のキャリアハイは2連覇した年の2017年になります。
そこで2019年に西川選手の「1番での打撃成績」をそれと比較します。
出塁率はほぼ同程度ですが、その他の数字は西川龍馬選手が上回っています。
もちろん、打席数に差があるため、単純に比較をすることはできません。
しかし、現在のカープで1番打者は西川龍馬選手以外にいないのも事実。
7月以降のような成績が残せるのであれば、2020年以降もありうる打順です。
図6 2017年の田中広輔選手との打撃成績比較
① 本人は「下位打線」を希望
ただ、本人は「下位打線の方が向いている」とコメントしています。
このブログでも過去に下位打線の方が適正ではという記事を投稿しました。
性格的にも自由に打てる打順の方が向いていると思います。
そういった意味で考えると、下位打線も1番打者も向いているのかも知れません。
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打撃好調の要因は「減った守備への不安」
2018年は三塁手として送球エラーが続き、セ・リーグ最多の17失策を記録。
結果、秋季キャンプで外野の練習を始め、春季キャンプで外野手に転向しています。
そして、そのポジション変更が2019年の開花のきっかけとなりました。
外野手に転向して守備の負担が減ったことが大きかったと本人も述べています。
2018年は「試合をしたく無かった」「早く帰りたい」とまで思っていたようです。
守備のことで頭がいっぱいになり、打撃のことは考えられなかったとのこと。
開幕当初はレフトを守っていたましたが、現在はセンターに定着。
2019年は守備への不安が消え、持ち味である打撃に集中できる環境となりました。
このブログでもセンターで起用すべきという記事を投稿しています。
センターへ配置転換する前に投稿した記事でしたが、上手くいって安心しました。
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今回のまとめ
今回は西川龍馬選手のここまでの打撃成績について話を進めてきました。
苦労していた三塁守備から外野手に正式に転向することで飛躍の1年に。
プロ初の規定打席到達も目前になっています。
さらにシーズン前に目標としてあげていた打率3割も可能な位置に。
天才とも称されるその打撃も本人は「周りが言うだけ」と受け流します。
打撃の調子が良い時も「どうせまた打てなくなる」と浮かれず冷静。
一見マイナス思考とも取れる発言ですが、そこで満足しない裏返しでしょう。
そんなに甘くない、自分はまだまだという気持ちが大きいのだと思います。
目標としてきた「規定打席到達で3割」も目前に見えてきました。
シーズンもあと少しになりましたが、最後のもうひと踏ん張りを期待しています。
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