【 2019年 左投手のドラフト事情 】”高卒左腕”と”社会人・大卒左腕”のどちらが活躍?

JEY(ジェイ)

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どの球団にとっても左投手は貴重な存在といって良いでしょう。
過去のドラフトとその後の活躍から左投手の補強ポイントを検討していきます。

 

 

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2018年に30イニング以上投げたセ・リーグ左投手

 

30イニング以上を投げたセ・リーグ球団の左投手を順にあげていきます。

見てわかる通りであるが、カープに関しては1人もいません
リーグ最多は横浜の5人で、次に巨人と阪神が4人と続きます。

規定投球回数到達者を先発で143回、リリーフは規定がないため便宜上30回とします。
クリアしているのは先発では東克樹投手救援では砂田毅樹、能見篤史、岩崎優投手
能見篤史投手は、先発で14回1/3を投げているので、それを引くと41回2/3になります。

どこのチームも左投手の駒数に苦労しており、好成績を残すのも難しいです。
特にカープに関しては、日本人投手が1人もいないという深刻さが伺えます。

 

① 各投手のドラフト指名時の所属

 

ここからは前述した投手のドラフト時の所属を振り分けます。

プロ入り前の所属内訳
社会人 内海哲也、能見篤史
大卒 石川雅規、東克樹、濱口遥大、石田健大、今永昇太、笠原祥太郎、岩貞祐太、岩崎優
高卒 今村信貴、田口麗斗、吉川光夫、砂田毅樹、小笠原慎之介、才木浩人

 

計16名のうち、大卒・社会人が10名、高卒が6名。
高卒とそれ以上で比較すると、大卒・社会人の方が圧倒的に多くなっています。

高卒で10勝以上した投手は田口麗斗投手と吉川光夫投手の2人。
吉川光夫投手は2012年にMVP、田口麗斗投手は2年連続二桁勝利を挙げました。

大卒・社会人では以下の7投手と、10投手中7投手が年間10勝を達成しています。
石田健大投手も10勝には届いていないものの、2016年には9勝をマークしています。

また、岩崎優投手も2017~2018年と2年連続60試合以上に登板。
リリーフ投手としては年間10勝とほぼ同等レベルの数字を残しています。

  • 石川雅規
  • 内海哲也
  • 東克樹
  • 濱口遥大
  • 今永昇太
  • 岩貞祐太
  • 能見篤史

 

このようにセ・リーグでは大卒・社会人の左投手が好成績を残す傾向にあります。
これに関しては、別記事のカープ左投手の記事で紹介したものと同様の傾向でした。

 

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2018年に30イニング以上投げたパ・リーグの左投手

 

30回以上という条件を満たした各球団の左投手を順にあげていきます。

先発 リリーフ
西武 菊池雄星榎田大樹 野田昇吾
ソフトバンク 嘉弥真新也
日本ハム 加藤貴之 公文克彦
オリックス 田嶋大樹
ロッテ 松永昂大
楽天 塩見貴洋辛島航 松井裕樹高梨雄平

パ・リーグ最多は楽天の4人で、次に西武の3人。
カープのようにひとりもいない球団はパ・リーグにはありませんでした

同様に規定投球回数を先発で143回、リリーフは便宜上30回します。
クリアできたのは先発では菊池雄星投手ただひとり。
リリーフは野田昇吾嘉弥真新也公文克彦松永昂大松井裕樹高梨雄平投手。

セ・リーグに比べて、リリーフ投手が多いのがパ・リーグの特徴です。
2019年から菊池雄星投手はMLB移籍のため、先発がゼロになる可能性もあります。

 

① 各投手のドラフト指名時の所属

 

ここからは各投手のドラフト時の所属をみていきます。

先発
社会人  榎田大樹、野田昇吾、嘉弥真新也、加藤貴之、公文克彦、田嶋大樹、松永昂大、高梨雄平
大卒 塩見貴洋
高卒 菊池雄星、 辛島航、松井裕樹

 

計12名のうち、大卒・社会人が9名、高卒が3名。
大卒・社会人の内訳をみると、そのほとんどが社会人となっています。

高卒で10勝以上した投手は菊池雄星投手の1人。
松井裕樹投手も楽天の抑えとして3年連続30セーブを記録しています。

大卒・社会人で10勝以上したのは榎田大樹の1人。
リリーフで複数年の活躍は野田昇吾、嘉弥真新也、公文克彦、松永昂大、高梨雄平投手。

パ・リーグにおいては社会人投手が活躍する傾向にあるようです。
塩見貴洋投手を除く全員がリリーフ投手ということもデータでわかります。

 

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2000年以降に活躍した「高卒の左投手」

 

少し時代をさかのぼって2000年以降の高卒の左投手でみてみましょう。
ここでは先発は10勝以上、救援は50試合登板、抑えは30セーブ以上とします。

投手 成績
2003 成瀬善久 (横浜) 249試合 96勝77敗
2005 村中恭平 (東海大甲府) 199試合 46勝55敗
2006 吉川光夫 (広陵) 196試合 55勝66敗3S
2009 菊池雄星 (花巻東) 158試合 73勝46敗1S
2013 田口麗斗 (広島新庄) 81試合 21勝27敗
2013 松井裕樹 (桐光学院) 253試合 16勝25敗101S
2013 砂田毅樹 (明桜) 163試合 6勝11敗

一流投手として活躍した高卒左腕の先発は成瀬善久投手菊池雄星投手
リリーフでみるとさらに少なくなり、松井裕樹投手のわずかひとりでした。

先発
成瀬善久 2007年に最優秀防御率、最高勝率を獲得
菊池雄星 2017年に最多勝、最優秀防御率を獲得
松井裕樹 2015年に最年少30セーブ、2018年に最年少100セーブを記録

 

① プロ入り後に消えゆく「速球派の大型高卒左腕」

 

毎年、多くの高卒左腕が入団するにも関わらず、活躍するのはかなり厳しいです。
特に「速球派の大型高卒左腕」と騒がれた投手で活躍した投手は菊池雄星投手のみ。

ただ、菊池雄星投手でも年間10勝達成までに6年かかっています。
多くの「速球派の大型高卒左腕」投手は制球難やケガにより活躍できず終わりました。

過去にも「150キロ左腕」「10年に1人の逸材」などと騒がれた投手がいます。
いずれもプロ入り後に目立った活躍をすることなく、姿を消していきました。

高井雄平投手に関しては、「雄平」として外野手に転向して活躍しています。
本当の意味で一流投手として活躍したのは石井一久投手くらいかも知れません。

 

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左投手の補強ポイントは「大卒・社会人」

 

ここまで過去を振り返りながら左投手を検討してきました。
左投手だけで言えば、高卒より大卒・社会人の方が成功しやすい傾向です。

特に近年ではDeNAの大卒入団の先発左腕たちの活躍が目立ちます。
東克樹、濱口遥大、今永昇太、石田健大投手は新人から主力としてフル回転。

一時は先発全員が左投手になる可能性もという時期もありました。
左投手の補強という視点でみれば、12球団で最も成功している球団と言えます。

ドラフト指名の成功を考えた場合、社会人・大卒左腕の指名が有効です。
もちろん高卒で活躍する投手もいますが、育成にかなり苦労してるようですね。

 

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今回のまとめ

 

成績を振り返って左投手のドラフト補強ポイントを検討しました。
高卒投手は活躍しにくく、大卒・社会人の方が活躍する傾向にあります。

大型左腕と期待された高卒投手の多くは早い段階で姿を消しています。
また、どの球団も高卒左腕の育成を得意としていないこともわかります。

左投手のドラフト戦略は大卒・社会人の指名の方が有利です。
ロスを少なくし、確実に補強していくにはそういった戦略も必要です。

とはいえ、夢があるのも高卒の大型左腕たちでもあります。
各球団の育成能力が向上し、多くの左投手が活躍する日を期待しています。

 

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