【 右打者の育成が課題 】カープ野手のドラフト&育成状況から考えられる将来的な不安

JEY(ジェイ)

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さて今回はカープの野手の状況にスポットを当てたいと思います。
現在の状況、過去のドラフト、今後の課題など踏まえて話を進めます。

 

 

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2009年以降のドラフト指名野手たち

 

2009年から年度順に振り返っていきます。
2012年と2018年は野手中心の補強となった様子が伺えます。
特に2012年に至っては支配下指名選手全てが野手となりました。

指名野手
2009 堂林翔太 (D2)、庄司隼人 (D4)、中村亘佑 (育成D2)
2010 磯村嘉孝 (D5)
2011 菊池涼介 (D2)、土生翔平 (D4)、中村真崇 (育成D2)、三家和真 (育成D4)
2012 高橋大樹 (D1)、鈴木誠也 (D2)、上本崇司 (D3)、下水流昂 (D4)、美間優槻 (D5)、森下宗 (育成D1)
2013 田中広輔 (D3)
2014 野間峻祥 (D1)、桒原樹 (D5)、多田大輔 (D7)、木村聡司 (育成D1)
2015 船越涼太 (D4)、西川龍馬 (D5)、青木陸 (D7)
2016 坂倉将吾 (D4)
2017 中村奨成 (D1)、永井敦士 (D4)
2018 小園海斗 (D1)、林晃汰 (D3)、中神拓都 (D4)、正随優弥 (D6)、羽月隆太郎 (D7)、大盛穂 (育成D1)
2019 宇草孔基 (D2)、韮澤雄也 (D4)、石原貴規 (D5)、持丸泰輝 (育成D1)、木下元秀 (育成D2)
2020 矢野雅哉 (D6) 、二俣 翔一 (育成D1)

① 1軍戦力となった選手をピックアップ

 

1軍の戦力としてどの程度の選手が活躍しているのでしょうか。
過去に1軍の戦力として活躍した選手を赤文字で区別してみました。

ほぼ毎年ひとりは1軍戦力としてチームに貢献しているのがわかります。
ただ、引退した選手も11選手おり、プロ野球の厳しさも再確認できます。

指名野手
2009 堂林翔太 (D2)、庄司隼人 (D4 / 引退)、中村亘佑 (育成D2 / 引退)
2010 磯村嘉孝 (D5)
2011 菊池涼介 (D2)、土生翔平 (D4 / 引退)、中村真崇 (育成D2 / 引退)、三家和真 (育成D4 / 引退)
2012 高橋大樹 (D1)、鈴木誠也 (D2)、上本崇司 (D3)、下水流昂 (D4)、美間優槻 (D5 / 引退)、森下宗 (育成D1 / 引退)
2013 田中広輔 (D3)
2014 野間峻祥 (D1)、桒原樹 (D5)、多田大輔 (D7 / 引退)、木村聡司 (育成D1 / 引退)
2015 船越涼太 (D4 / 引退)、西川龍馬 (D5)、青木陸 (D7 / 引退)
2016 坂倉将吾 (D4)
2017 中村奨成 (D1)、永井敦士 (D4)
2018 小園海斗 (D1)、林晃汰 (D3)、中神拓都 (D4)、正随優弥 (D6)、羽月隆太郎 (D7)、大盛穂 (育成D1)
2019 宇草孔基 (D2)、韮澤雄也 (D4)、石原貴規 (D5)、持丸泰輝 (育成D1)、木下元秀 (育成D2)
2020 矢野雅哉 (D6) 、二俣 翔一 (育成D1)

 

② 将来のレギュラー候補は全員が「左打者」

 

ここでレギュラー陣を除外して、右打者と左打者に分類します。
そこから“現レギュラー”と”将来のレギュラー候補”に注目してみましょう。

選手名
右打者 堂林翔太、磯村嘉孝、高橋大樹、上本崇司、
中村奨成、永井敦士、中神拓都、正随優弥、石原貴規
左打者 野間峻祥、桒原樹、西川龍馬坂倉将吾小園海斗林晃汰羽月隆太郎、
宇草孔基、韮澤雄也、持丸泰輝、木下元秀、矢野雅哉、二俣 翔一

※ 退団した選手は除外しています

 

見て分かる通り、レギュラーを有力視されている選手が全て左打者です。
もちろん中村奨成選手や石原貴規選手もその中に入れても良いかも知れません。

ただ、捕手という特性上、常時出場することは難しい状況です。
コンバートなどあれば変わってきますが、現時点ではその予定はありません。

今回の記事でもっとも伝えたかったポイントはここです。
カープでは右打者がレギュラーとして育たないという課題を長年抱えています。

右打者でレギュラーになったのは2016年の鈴木誠也選手が最後。
2009年以降のドラフトで右打者のレギュラーは菊池涼介選手を含め2人です。

 

③ 右打者不足が「外国人野手の補強」に影響

 

ここからは2014年以降の外国人野手を振り返ります。
ラミロ・ペーニャ選手の両打席を除き、全ての外国人野手が右打者

[ 2014年以降の外国人野手 ]

打席 打席 所属年度 成績
2014 ライネル・ロサリオ 2014-2015 .309 16本 61打点 OPS .875
2015 へスス・グスマン 2015 .230 3本 12打点 OPS .756
2016 エクトル・ルナ 2016 .309 39本 218打点 OPS .826
2017 ラミロ・ペーニャ 2017 .216 0本 2打点 OPS .500
サビエル・バティスタ 2017-2019 .257 62本 145打点 OPS .865
アレハンドロ・メヒア 2017- .239 12本 29打点 OPS .681
2019 ファン・サンタナ 2019 .182 0本 5打点 OPS .388
2020 ホセ・ピレラ 2020 .266 11本 34打点 OPS .723
2021 ケビン・クロン 2021- .266 11本 34打点 OPS .723

 

さらに、ここにブラッド・エルドレッド選手が在籍しています。
2012~2018年までの7年間に渡り、“右打者枠”を埋めてくれました

梵英心選手のケガ、堂林翔太選手の伸び悩みなど要因は多々あります。
いずれにしても、球団は右打者不足を外国人に頼ってきたことがわかります。

 

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数年後は「主力のほとんどが左打者」の可能性も

 

2018年には新井貴浩選手とブラッド・エルドレッド選手が退団。
近年の一軍戦力として、強力な右打者枠が2つも空くことになりました。

そこに誰が食い込んでくるかというところが焦点になります。
しかし、現時点でレギュラー候補と呼べる右打者が存在しません

鈴木誠也選手のポスティングまたはFA移籍は避けられないのが現状。
そう考えると、このままでは将来的に主力がほぼ左打者になってきます。

① 右打者が育たないチーム環境

 

右打者が育たない条件として、2つのことが考えられます。
前者はスカウト陣の課題、後者は打撃コーチ陣の課題となります。

  • 明らかに課題のある右打者を指名している
  • コーチングによりその課題を解決できない

 

「課題はプロで治せば良い」というのもひとつの考え方ではあります。
しかし、ほとんどのケースでプロ入り後の修正に成功してないのが現状です。

そうなると、スカウトの時点でリスクの高い選手を外しておくのも手です。
すべては無理でも、ある程度のリスク回避を図ることは十分に可能でしょう。

個人的にもドラフト会議直後に全選手の映像はざっと確認しています。
その時点で「プロでは厳しいな」と感じてしまう選手がいるのも正直な所です。

いくらアマチュアで記録を残してもプロで活躍するのは厳しいのも現実。
高いレベルで通用するにはそういった明らかな課題がある選手は厳しいです。

 

② 在籍する右打者の多くが「同じ課題」を抱えている

 

動作分析をしていくと大半の選手が同じ課題を抱えています。

スイングメカニズムに同じ課題のある選手

  • 2009年 堂林翔太 
  • 2010年 磯村嘉孝 
  • 2012年 高橋大樹、下水流昂、美間優槻
  • 2014年 多田大輔
  • 2015年 船越涼太、青木陸
  • 2017年 永井敦士 
  • 2018年 中神拓都、正随優弥
  • 2019年 石原貴規

 

もちろん選手により度合いの差はありますが、おおむね共通しています。
それぞれの選手を入団時からチェックしていますが現在も大きな変化はありません

上記の選手は共通して特定のコースや球種に課題を持っています。
逆説的に言うと、動作的な課題により物理的にそうなるので仕方ありません。

2軍では打率3割を打てても、1軍では打てない選手がいます。
また、キャンプやオープン戦当初は目立ちますが、徐々に姿を消す選手もいます。

例えば、正随優弥選手や高橋大樹選手が後者ですね。
そうした選手の多くが今回の課題を持ち複数年に好成績を残せてい
ません。

ただ、同じ課題があってもレギュラーとして活躍する選手もいます。
巨人時代の長野久義選手のように課題を上手く克服している選手もいます。

要するに、課題自体を改善”するか、別の方法でカバー”するしかありません。
いずれにしても対応策を打たない限り、レギュラーとして長く活躍は厳しいです。

 

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今回のまとめ

 

今回は右打者不足に焦点を合わせてまとめてみました。
話がまわりくどい所もありますが、その点はご了承下さい。

カープでは右打者が主力として育ちにくい現状は間違いありません。
もちろん左打者が左右投手に関係なく打てればそれでも良いでしょう。

しかし、右打者が育っていないということ自体は課題なのは事実です。
少しでも課題の部分を解決できればチームとしても底上げにつながります。

また、ドラフト指名でのロスを減らすことも大事と考えます。
ドラフト指名では1選手に対して、契約金・年俸など多額の資金を投資します。

指名のロスが少なくなれば、安定したチーム運営にもつながります。
近年の課題を払拭するような多くの右打者の台頭を期待をしています。

 

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